研究課題/領域番号 |
23590217
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石橋 誠 京都大学, 医学研究科, 教授 (30232341)
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研究分担者 |
黒木 裕士 京都大学, 医学研究科, 教授 (20170110)
青山 朋樹 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90378886)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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キーワード | 関節軟骨 / 変形性関節症 / ヘッジホッググシグナル / メカニカルストレス |
研究概要 |
関節軟骨は骨の発生において軟骨内骨化が進んでも「骨化しない」永久軟骨である。始めは他の「骨化する」軟骨部と連続しており、同様な性質を有すると考えられるが、発生が進行するにつれ、永久軟骨に分化すると考えられる。この現象の背景にある詳しい分子生物学的メカニズムは不明なところが多いが、ヘッジホッグシグナルが重要な役割を果たすことが示されている。 一方、成人の関節軟骨においては、常に加わるメカニカルストレスがその維持・変性に大きく関わっていることが示唆されているが、詳しい分子機構は不明である。一般に「適度な」メカニカルストレスは関節軟骨の維持に作用し、「過剰な」ストレスは関節軟骨の変性・破壊につながる。後者はやがて変形性関節症として知られる病態を引き起こす。最近の報告では、変形性膝関節症の患者においてヘッジホッグシグナルが過剰に活性化されていることが報告された。マウスの遺伝子操作により、関節軟骨部にヘッジホッグシグナルを過剰に活性化すると変形性関節症を発症した。 以上により、ヘッジホッグシグナルは関節軟骨の発生のみならず、その維持・変性過程においても重要な役割を果たしていると考えられる。またそのシグナルはメカニカルストレスによる制御を受けていることも示唆される。そこで我々はまず、モデル動物であるマウス・ラットにおいて成長中および成体動物で様々なメカニカルストレス条件のもと、ヘッジホッグシグナルがどのような影響を受けるか調べる計画を立てた。またヘッジホッグシグナルを活性化または不活性化する化学物質を関節腔中に注入することで変化させ、その影響を調べることにした。 これらの実験のための条件検討中に退職することとなり、本課題は中断された。
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