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2012 年度 実施状況報告書

神経再生を阻害する糖鎖修飾メカニズムの解析と人為制御

研究課題

研究課題/領域番号 23590221
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

和中 明生  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)

研究分担者 辰巳 晃子  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90208033)
奥田 洋明  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40453162)
キーワード糖鎖修飾 / 転写調節 / アストロサイト / C6ST-1
研究概要

本年度はOASISの下流分子の検索を主に行った。生直後のOASISーKOマウスと野生型マウスの双方からアストロサイトを1次培養し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン産生に関わる糖鎖合成酵素、C6ST-1、C6ST-2(糖鎖の6位に硫酸基を転位する酵素群)、C4ST-1、C4ST-2、C4ST-3(糖鎖の4位に硫酸基を転位する酵素群)、GalNAc4S-6ST(糖鎖の4位に硫酸基を付加し、6位に転位する酵素)、UST(糖鎖の2位に硫酸基を転位する酵素)の発現をmRNAレベルではReal time-PCRを用いて、一部の酵素については抗体を用いて蛋白発現レベルをウエスタン解析で検討した。Real time-PCRの解析から、C6ST-1がOASIS-KOマウス由来のアストロサイトでは有意に野生型に比して発現低下していることが明らかとなった。その他のC6ST-2,C4ST-1,-2,-3、GalNAc4S-6ST、USTについてはKO由来、野生型アストロサイトの両者の間で発現レベルに大きな差は認められなかった。さらにC6ST-1,C6ST-2、C4ST-1に関しては抗体が入手可能であったので、ウエスタン解析を行ったところ、遺伝子発現の結果と同じく、C6ST-1の蛋白レベルがKOマウス由来のアストロサイトで有意に低いことが明らかとなった。以上の事実はOASISが転写調節因子であることと考え合わせると、C6ST-1遺伝子の転写をOASISが制御している可能性を強く示唆している。現在C6ST-1のゲノム断片をPCRを用いて取得し、C&ST-1遺伝子の転写メカニズムを直接解析すべく、コンストラクトを作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は昨年度までのIn vivo解析とは異なり、研究計画の内のin vitro解析を主体に行った。予備的検討で検出していた糖鎖修飾酵素の一種であるC6ST-1がOASISの直接ターゲットであるという仮説がほぼ確実であるという証拠を得られたという点で計画通りの結果が得られたと考える。

今後の研究の推進方策

C6ST-1ゲノム(5’上流の約5Kb、第一イントロン、第二イントロン)をPCRを用いて単離することをまず推進する。これらの領域は通常の遺伝子転写調節領域である可能性が高い部分である。これらの領域をリポーター(ルシフェラーゼ)遺伝子の5'上流に組み込み、転写アッセイを行い、OASISの調節領域をスクリーニングしていく。

次年度の研究費の使用計画

25年度の研究費は主に上に述べた転写アッセイ用のベクター作成と転写アッセイ用の培養細胞(C6細胞かU323細胞)の維持(培地、培養用血清、培養用プラスチック器具等)に主に用いる。これらに加えて一般的な分子生物学実験用試薬(制限酵素等)の購入にも充てる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Gliosis-specific transcription factor OASIS coincides with proteoglycan core protein genes in the glial scar and inhibits neurite outgrowth.2012

    • 著者名/発表者名
      Iseki K, Hagino S, Nikaido T, Zhang Y, Mori T, Yokoya S, Hozumi Y, Goto K, Wanaka A, Tase C.
    • 雑誌名

      Biomedical Research

      巻: 33 ページ: 343-353

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct cellular distributions of Kv4 pore-forming and auxiliary subunits in rat dorsal root ganglion neurons.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuyoshi H, Takimoto K, Yunoki T, Erickson VL, Tyagi P, Hirao Y, Wanaka A, Yoshimura N.
    • 雑誌名

      Life Sciences

      巻: 91 ページ: 258-263

    • DOI

      10.1016/j.lfs.

    • 査読あり
  • [学会発表] TenascinR constitutes a unique extracellular matrix and modulates GLAST expression in astrocytes.2012

    • 著者名/発表者名
      Okuda H, Tatsumi K, Shibukawa Y, Korekane H, Horii-Hayashi N, Wada Y, Taniguchi N, Wanaka A
    • 学会等名
      第53回日本神経化学会大会、第11回アジア太平洋神経化学会議 合同大会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20120929-20121002
  • [学会発表] 妊娠期高脂肪食摂取が仔の多動を引き起こす。2012

    • 著者名/発表者名
      山野眞利子、林美幸、奥田洋明、和中明生
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120918-20120921
  • [学会発表] TenascinR陽性アストロサイトは新規細胞外マトリックスを構成する。2012

    • 著者名/発表者名
      奥田洋明、辰巳晃子、渋川幸直、是金宏昭、林-堀井謹子、和田芳直、谷口直之、和中明生
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120918-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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