研究課題/領域番号 |
23590222
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
木村 英二 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50405750)
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研究分担者 |
磯貝 純夫 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (60212966)
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 血管芽細胞 / ゼブラフィッシュ / ETSrp / 分化 / マイクロアレイ |
研究概要 |
本研究課題では、ETSrp遺伝子の発現を抑制し血管芽細胞の分化を阻害した際に発現の変動を示した466 遺伝子群の機能解析を行い、血管芽細胞が如何にして間葉系の細胞から分化していくのか、そのメカニズムの解明を目指している。平成23年度には、in silico 解析による候補遺伝子のスクリーニングを行った。まず 遺伝子リストのうち、遺伝子のアノテーションの付いたもの(上昇:83 遺伝子、下降:154 遺伝子)に関して、ゼブラフィッシュ関連の総合データベースであるZFINを用い、これまでの発現パターンや関連文献を検索し血管系との関係が報告されているかを確認した。また研究室内のコンピューターにゼブラフィッシュやヒト、マウスの最新の遺伝子情報のデータベースを構築し、Local blastを利用して集約的に解析するシステムを構築した。これを用いて遺伝子のアノテーションが付いていないもの(上昇:108 遺伝子、下降:121 遺伝子)に関して、DNA プローブの基となったEST 配列を取得してblast解析を行い、ヒトやマウス遺伝子からオーソログなものを探索した。以上のin silico 解析を466 遺伝子に対して行い、ヒトやマウスでのホモログ遺伝子が同定され、かつ血管系との関係が報告されていないものの選定作業を現在 継続して進めている。形態学的評価法の確立に関しては、 正常に発生の進行した胚の透過型電子顕微鏡(TEM)、KOH 消化法による走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行い、血管芽細胞の正常発生過程での形態的な変化の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に行った in silico 解析による候補遺伝子のスクリーニングに関しては、アノテーションの付いたものに関して、ZFINから これまで報告のあるin situ hybridizationの発現パターンや関連文献からなるデータベースを構築した。このデータベースをもとに現在 詳細な解析を進めており、脳血管芽細胞の初期分化過程に一致して発現を認める遺伝子を複数同定することに成功した。また研究室内のコンピューターにゼブラフィッシュやヒト、マウスの最新の遺伝子情報のデータベースを構築し、Local blastを利用して集約的に解析するシステムの構築も完了し、ゼブラフィッシュ、マウス、そしてヒトのrefseqデータベースからオーソログ遺伝子の有無の判定を進めている。これらのin silico 解析は当初の予定よりやや時間がかかっているものの、順調に進行しており 本研究課題の推進に大きな問題を認めない。形態学的評価法に関しても、 正常発生した胚の観察を進めており、血管芽細胞の正常発生過程での形態的な変化をとらえつつある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、まず in silico 解析による候補遺伝子のスクリーニングを終了させる。そのうえで、候補遺伝子に対して 実際にETSrp の抑制で遺伝子の発現が低下しているか、real time PCR 法で再確認する。real time PCR法で発現変動の再確認が出来た遺伝子に関しては、その遺伝子が血管で発現しているのか、血管周囲組織なのか、あるいは間葉系細胞で発現しているのかを、9・12・15 体節期の胚を用いてin situ hybridization 法で同定する。並行して、候補遺伝子がどのような遺伝子と類縁関係にあるのかを系統樹解析により明らかにする。系統樹解析は、海外共同研究者の谷藤吾朗博士(カナダ Dalhousie 大学)が行う。全ての結果を踏まえて機能解析を行う優先順位を決定する。ETSrp の抑制で発現の上昇した血管周囲組織や間葉系の細胞で発現しているものを優先的に機能解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費は、主に 候補遺伝子に対して 実際にETSrp の抑制で遺伝子の発現が変動しているか評価する real time PCR 法に関連する試薬と、発現部位の特定のために行うin situ hybridization 法に関連する試薬の購入に使用する。形態学的な解析も並行して行うためそのための試薬購入にも使用する。ゼブラフィッシュの飼育管理のための人件費にも一部使用する予定である。また成果発表・情報収集するために、国内学会(分子生物学会・血管生物学会)並びに国際学会(Developmental Vascular Biology Workshop)に参加するための旅費の一部に使用する。
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