研究課題/領域番号 |
23590222
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
木村 英二 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50405750)
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研究分担者 |
磯貝 純夫 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (60212966)
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
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キーワード | 血管形成 / etsrp/etv2 / ゼブラフィッシュ / マイクロアレイ |
研究概要 |
本研究課題では、血管芽細胞分化の上流に位置していると考えられるETSrp遺伝子の発現を抑制した際に発現の変動を示した遺伝子群を同定し、血管芽細胞が如何にして間葉系の細胞から分化していくのか、そのメカニズムの解明を目指した。まずマイクロアレイ法を用いて血管系が形成されるタイミングで血管芽細胞分化を阻害することで1.5倍以上発現が上昇し再現性(n=2)を示した191プローブを抽出した。次にゼブラフィッシュのRefseq databaseを用いてBlast解析し、165遺伝子のannotationを確定した。これらの遺伝子のうちZFIN データベースに詳細な発生過程での発現パターンの報告を認めた32遺伝子を同定し、そのうち血管形成領域との関連が想定された11遺伝子を抽出することに成功した。これらの遺伝子群は、1)頭部の血管形成領域の神経組織や間質に特異的に発現している遺伝子、2)脳動脈の形成領域で発現を示す遺伝子、3)脳静脈の形成領域に近接した神経組織で発現を示す遺伝子、4)伸展する血管が接触する脳幹-脊髄の腹側領域で特異的な発現を示す遺伝子、5)脊索で特異的な発現を示す遺伝子の5パターンに大きく分類することができた。一方 詳細な発現パターンが得られなかった遺伝子群に対しては、種間の保存性なども考慮したうえで 68遺伝子を抽出し、DIG標識のRNAプローブを合成しin situ hybridization法を行い、発現パターンを確認した。その結果、前腎管や体節での発現を認めた3遺伝子で新規の発現パターンを得ることに成功した。以上の結果を踏まえて、現在 TALEN法、あるいはCRISPR/Cas9法を用いて、これらの14遺伝子のノックアウト系統の作製を進めており、血管芽細胞分化との関連の解析を行う予定である。これにより、新たな関連遺伝子の同定や分化メカニズムの解明へとつながっていくことが期待される。
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