軸索ガイダンス因子ネトリン-1は軸索の伸長や反発、分枝新生など多様な役割をもつ。大脳皮質ニューロン軸索での作用は伸長促進とも分枝新生促進ともいわれるため、この不一致の解消を目指しマウス初代培養系で形態学的解析を行った。胎生14日ニューロン軸索の伸長、胎生16日ニューロン軸索シャフトでの糸状仮足生成とこれに続く分枝新生がネトリン-1依存的に認められ、いずれにもネトリン受容体の一つDCC (deleted in colorectal cancer) が必要であった。ネトリン-1が大脳皮質ニューロン軸索で示す作用は発生過程で伸長促進から分枝新生促進に転じ、DCCはこれらの両方を担うことが示唆された。
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