筋芽細胞株C2C12の分化誘導ではWnt経路に関与する因子の中でWnt4やSfrp2などが有意に発現上昇する。過剰発現で有効なのはWnt4であり,これはβカテニン経路に拮抗して分化を促進する。Wnt4を恒常的に発現するC2C12では細胞増殖が著しく低下して自発的に分化する。この細胞では筋分化マーカーと共にBMP4の発現が上昇し,元の細胞の分化誘導でもBMP4が上昇する。しかしBMP4は筋分化を抑制し,その効果はBMPに結合するノギンで拮抗される。Wnt4とWnt3aはBMP4によるSmadリン酸化に対して影響を示すが,BMP4のWnt経路に対する影響は弱く,その作用は間接的と考えられる。
|