研究課題
①シネミンノックアウトマウスの解析:シネミンノックアウトマウスのトレッドミルによる運動持久力に関し、統計処理ができるまで例数を増やし、野生型のマウスに比較して統計的にも有意に低下していることを明らかにした。次にこの持久力の低下は筋線維の相違による可能性が考えられたので、速筋及び遅筋に特異的に反応する抗ミオシン抗体を用いて速筋・遅筋の構成比の違いをヒラメ筋で調べた。その結果シネミンノックアウトマウスでは野生型に比し速筋の減少が観察された。速筋割合減少の理由としては、下り坂効果による速筋への負担増加が考えられる。②ジストロフィン-シネミン二重欠損マウスの解析:前年度までの研究でジストロフィン欠損マウスとシネミンのヘテロ或いは二重欠損マウスを雌雄様々に組み合わせ1年間交配させたが、1度だけしか妊娠は確認できなかった。これによりβ-シネミン及びジストロフィンの不全が生殖機能に影響する可能性が確認された。6週齢のシネミン二重欠損マウス及びジストロフィンのノックアウト-シネミンヘテロマウスを用い、生殖器および骨格筋において組織学的検索をおこなった。しかし生殖器には明瞭な異常は観察されなかった。骨格筋では二重欠損マウス及びジストロフィンのノックアウト-シネミンヘテロマウスにおいては野生型に比し中心核が多いものの、二重欠損マウス及びジストロフィンのノックアウト-シネミンヘテロマウス間に差が見られない事からシネミンの欠損による影響では無いと考えられた。③骨格筋細胞膜裏打ち構造と細胞骨格連関の解析:前年度までの成果をもとにさらに観察数を増やし、筋原線維のM線・Z盤から筋線維の横断方向に延びるアクチン線維、中間径線維が筋形質膜下暗調斑との間を繋ぎ、mdxマウスではそれらが減少していることを論文にまとめて、専門学術誌に投稿、掲載することができた。
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Medical Molecular Morphology
巻: e-published ページ: e-published
10.1007/s00795-014-0070-3
Histochemistry and Cell Biology
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http://www.med.gunma-u.ac.jp/med-organization/bioreg/bioreg-function/125.html