中枢神経系で独自に産生される神経ステロイドの生理的役割を明らかにするため、脈絡叢におけるステロイド合成能について探索した。RT-PCR検索により、脈絡叢でステロイド合成酵素が発現していることを確認した。脳脊髄液中のステロイドは血液より少ないことから、これらの酵素は脳脊髄液中ステロイド濃度の恒常性の維持に関与している可能性がある。また、ストレス負荷による海馬の神経細胞死に対する卵巣摘除の影響を検討した。その結果、卵巣摘除後ストレス負荷により神経細胞は減少するものの、ラットの系統によって差があった。認知症の発症に性ホルモンとストレスが一部起因していること、さらに個体差が関係する可能性が示唆された。
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