研究課題/領域番号 |
23590238
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
澤口 朗 宮崎大学, 医学部, 教授 (30336292)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高圧凍結技法 / 胃粘膜 / 胃酸分泌 / 壁細胞 / 超微形態 / 細胞膜動態 / 免疫組織化学 / 蛋白局在 |
研究概要 |
胃酸分泌に与る胃底腺壁細胞が生理的条件の変化に応じて示す著明な膜動態と形態変化については近年の研究進展によって新たな重要課題が生まれ、その解明は消化機構の研究基盤提出はもとより、臨床における胃粘膜傷害の予防や治療に繋がるものと期待されている。本研究は独自に開発したラット単離胃粘膜モデルの生理的条件を振り分け、微細形態と生体物質の保持に卓越した能力を示す高圧凍結技法による試料作製を遂行し、胃底腺壁細胞の膜動態やイオンチャネルの細胞内局在を可視化する形態学的アプローチにより追求するもので、プロトンポンプ阻害剤に代わる新たな胃酸分泌抑制薬の創薬ターゲットの探索も視野に入れた研究を目的とする。 平成23年度は、ラットに摂食刺激を加えた胃酸分泌期と、胃酸分泌抑制剤を投与した胃酸分泌休止期における胃底腺壁細胞の細胞膜動態について、高圧凍結技法により作製した電子顕微鏡観察試料をもとに超微形態学的解析を加えた。さらに細胞膜動態に関わるsyntaxin3, VAMP8, Hip1r等の細胞内局在の変化を探索し、本研究の基盤となる形態学的所見を収集するとともに、胃酸分泌への関与が示唆されるKCNQ1などのイオンチャネルの胃酸分泌期と休止期における細胞内局在について、免疫組織化学的手法による電子顕微鏡レベルの詳細な解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体ラット胃底腺壁細胞の胃酸分泌期と休止期における細胞膜動態と胃酸分泌関連蛋白の局在解析を進め、本研究の基盤となる形態学的所見の収集にあたる平成23年度当初の目的は概ね達成された。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年に収集された所見をもとに、ラット単離胃粘膜モデルの生理的条件を振り分け、胃底腺壁細胞が摂食後の胃酸分泌刺激状態から次の食餌に備えて休止状態に至る全ての生理的条件下における細胞膜動態と胃酸分泌関連蛋白の細胞内局在解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
高圧凍結実験の遂行に必要な液体窒素や、免疫組織化学的解析で使用する抗体をはじめとする消耗品・実験試薬の購入、ならびに研究打合せと学会発表に要する旅費などに使用する計画である。
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