研究成果の概要 |
糖尿病の主な死因は腎不全や脳心血管障害、肝障害などの主要臓器合併症である。骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell, MSC)は、免疫調節能や組織修復能を発揮する体性幹細胞で、細胞療法のソースとして注目される。本研究では、糖尿病合併症に対する新規根治的治療法として、MSCを用いた細胞治療の有効性について検討した。糖尿病モデル動物に対するMSC治療は、肝腎機能の増悪を抑制し、組織に集積する炎症細胞や肝脂肪の沈着を減少させ、組織の修復効果を示した。これらの有効性は主にMSCによって分泌される液性因子によることも判明した。糖尿病の臓器合併症に対するMSC治療の有用性が示唆された。
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