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2013 年度 実績報告書

下垂体のユニークな細胞死における分子発現とオルガネラ形態の時系列解析

研究課題

研究課題/領域番号 23590240
研究機関大阪市立大学

研究代表者

小川 登紀子  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (30382229)

キーワード持続的ストレス / 下垂体 / 微細形態 / 小胞体ストレス
研究概要

本研究の目的は、持続的なストレスを負荷したラットの、下垂体中間葉Melanotroph(MT)に生じるユニークな細胞死の分子メカニズムを、微細形態学的視点から解明し、さらにこの過程で発現する転写因子C/EBP homologus protein (CHOP)がどのように関与するかを明らかにすることである。
本年度の研究により、異なる過程を経た少なくとも3種類の細胞死が混在することを明らかにした。また、細胞変性から細胞死の過程を透過型電子顕微鏡により時系列的に解析することで、3種類の細胞死の経過を細胞内小器官の変化としてとらえることができた。また、一連の形態学的変化と免疫組織染色により得られた結果より、3種類の細胞死がいずれも、細胞内のタンパクおよび小器官の分解・リサイクルに関わる異常と関連していることが明らかになった。CHOP分子の直接の関与に関しては明らかではないが、これらのうち1種類の細胞死との接点が見いだされた。
本研究全般を通して、持続的ストレス下でMTに起こる細胞死は以下の経過によるものと推察された。持続的ストレスにより過度に活性化したMTが、まず直面する小胞体ストレスを回避するためにユビキチン-プロテアソーム系を活性化させるが、一部のMTはこの過程で細胞死に陥り、次いでオートファジー系を活性化するMTが現れるが、この過程でさらに別の形態を示す細胞死が起こるものと考えられた。このように、MTはストレス回避反応の異なる段階を起点として異常を生じ、これによって異なる形態の細胞死が存在するものと結論された。
本研究では、長時間のストレスに曝された生体内で形態の異なる細胞死が次々と生じる、というユニークな細胞死メカニズムが存在することを明らかにした。本研究により、ストレスとこれによって生じる生体機能の異常との関連を知る上で重要な、細胞生物学的知見が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Dysfunction in the hypothalamo-hypophyseal system under chronic stress and fatigue.2013

    • 著者名/発表者名
      Ogawa T., Konishi H., Kiyama H.
    • 雑誌名

      Advance in Neuroimmune Biology

      巻: 4 ページ: 219-228

    • 査読あり
  • [学会発表] 持続的ストレス負荷ラットに起こる下垂体メラノトロフの多様な細胞死2014

    • 著者名/発表者名
      小川登紀子、渡辺恭良、木山博資
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンパス(栃木県下野市)
    • 年月日
      20140327-20140329
  • [学会発表] 疲労モデルラット縫線核におけるセロトニン合成酵素の発現変化2013

    • 著者名/発表者名
      小川登紀子、田中雅彰、木山博資、渡辺恭良
    • 学会等名
      第9回日本疲労学会総会・学術集会
    • 発表場所
      秋田総合保健センター(秋田県秋田市)
    • 年月日
      20130607-20130608

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公開日: 2015-05-28  

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