本研究は、分枝形態形成における基底膜-アクチン細胞骨格系の役割を明らかにすることを最終目的とし、種々条件下で培養したマウス胎仔顎下腺(上皮)に細胞骨格系の機能阻害剤、ブレビスタチン やPF573228、を添加しそれぞれの効果を細胞骨格の分布、分枝形態形成に際しての細胞の移動の観点から比較検討した。その結果焦点接着キナーゼのリン酸化が唾液腺分枝形態形成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、ミオシンⅡの活性はクレフト形成を抑制している可能性が示唆された。しかしながら、クレフト形成やその伸長機構は将来の課題として残った。
|