研究課題
家族性低マグネシウム血症の患者において、クローディン-16の遺伝子変異が同定され、変異体の多くは細胞内局在が異常となることが報告されたが、その局在異常機構は不明なままであった。我々は酵母ツーハイブリッド法を用いて、クローディン-16の局在制御に関わる候補タンパク質(syntaxin-8)の同定に成功したため、その機能解析を行った。免疫沈降法により、クローディン-16とsyntaxin-8の結合が確認された。Syntaxin-8 発現のノックダウンにより、クローディン-16はタイト結合から解離して細胞質に分布した。細胞内オルガネラマーカーとの共染色により、クローディン-16は初期エンドソーム、小胞体、リソソームに分布することが明らかになった。また、クローディン-16の局在異常により、上皮膜を介したマグネシウム輸送能が阻害された。クローディン-16の脱リン酸化体は、syntaxin-8との結合が阻害され、細胞質に分布した。以上のことから、syntaxin-8はクローディン-16の細胞内局在の制御に関与しており、両者の結合阻害によってクローディン-16の細胞内局在とマグネシウム輸送機能が異常になると示唆された。
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Journal of Biological Chemistry
巻: 未定 ページ: 未定
Biochimica et Biophysica Acta
巻: 1833 ページ: 2617-2627
10.1016/j.bbamcr.2013