誘因性軸索誘導因子は、神経突起先端部分の成長円錐に働きかけ、正しい神経細胞へと成長を促し、シナプス形成を誘導する。逆に反発性軸索誘導因子は、成長円錐を退縮させることによって神経突起の伸長を止め、間違った神経細胞とのシナプス形成を阻害することが知られている。この成長円錐の退縮は、細胞膜表面積の減少を伴うが、その分子メカニズムはこれまで不明であった。本研究では、反発性軸索誘導分子であるSema3aが、エンドサイトーシスの一つであるマクロピノサイトーシスを誘導することによって、成長円錐の表面膜を大規模に細胞内へと取り込み、成長円錐の退縮や神経突起伸長の抑制を制御していることを明らかにした。
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