研究課題/領域番号 |
23590276
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山田 順子 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30334965)
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研究分担者 |
冨山 誠彦 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40311542)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | GABA / Tonic / Synapse |
研究概要 |
1.雄マウスにおける扁桃体外側核ニューロンのトニック抑制の検討;これまでに申請者らが確立した、大脳皮質錐体細胞でのGABA作動性トニックカレント研究の手法を生かし雄マウスの扁桃体外側核ニューロンのGABA作動性介在ニューロンにおけるトニック抑制を検討した。GABA受容体のダウンレギュレーションと行動変化が確認されているPRIP1-KOマウスと野生型マウスを用いて両者を比較した。脳スライスを作成しスライスパッチクランプ法によりGABA作動性トニックカレントを記録した。GABAA受容体サブユニットの阻害薬bicuculline methiodide GABAトランスポーター再取り込み阻害薬NO711,を用いトニックGABAカレントを測定した。また、GABA受容体サブユニット選択的アゴニスト diazepam, gaboxiadol, ethomidateを用い、トニックカレントにどのサブユニットがかかわっているかを薬理学的に解析した。結果、野生型、KOともにトニックカレントは観察されたが、KOは野生型に比べトニックカレントが減少していた。 2.GABA受容体サブユニット遺伝子発現の解析;雄マウス扁桃体におけるGABA受容体サブユニットの発現をin situ hybridization 法を用いて解析したが、差はみられなかった。3.western blot法で記録細胞のGABAA受容体サブユニットのタンパク発現を調べたが、有意差は見られなかった。4.雌マウスの発情期、非発情期モデルの作成(現在継続中)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.雄マウスにおける扁桃体外側核ニューロンのトニック抑制の検討:野生型、GABAA受容体の活性に変異がみられるPRIP1-KOマウスの扁桃体におけるトニックカレントの変化解析し、その違いを見出した。2.GABA受容体サブユニット遺伝子発現の解析:in situ hybridization, western blot法によりトニックカレントとGABAA受容体サブユニットの相関を見出す予定で合ったが明らかな違いは見られなかった。3.雌マウスの発情期、非発情期モデルの作成4.雄マウス・雌マウス(発情期、非発情期モデル)の行動解析1,3,4は予定通り達成しており、引き続き次年度に継続する予定である。2.に関しては期待した結果は得られなかったが今後免疫染色法などで検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1.雌マウスの性周期変動による扁桃体ニューロンのトニックカレントの変化:前年度と同様の手技で、雌マウスの発情期、非発情期モデルにおける扁桃体ニューロンでのトニックカレントの変化をパッチクランプ法を用いて生理学的・薬理学的に検討する。2.GABA受容体サブユニット遺伝子発現の解析:前年度と同様の手技で(1)で記録した細胞の細胞質を回収し、記録細胞のGABAA受容体各サブユニットのmRNA発現を調べるin situ hybridization 法を用いてGABAA受容体各サブユニットのmRNA発現の分布を発情期・非発情期モデルマウスで比較する。研究費はマウス購入費、試薬、混合ガス、PCRキット・酵素などの消耗品代と日本神経科学会発表への旅費に充てる。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に引き続き性周期変動による抑制性GABA伝達機構の変異解析の実験を行う。23年度で行ったPRIP-1KOマウスの雄のデータと比較するため、PRIP-1KOマウスの雌を用いて24年度と同様の手技で解析を行う。結果を解析し、論文として発表する。研究費はマウス購入費、試薬、混合ガス、PCRキット・酵素などの消耗品代と日本生理学会発表への旅費に充てる。
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