暑熱環境下でのヒトは多量の皮膚血流量と発汗により放熱するが、立位時には皮膚血管拡張による末梢への血液貯留と発汗による低血液量は心臓への静脈還流量を低下させ血圧維持を困難にする。このため圧反射性に皮膚血管拡張を抑制する。以前我々は圧反射性皮膚血流調節の遠心路が皮膚交感神経活動・心周期同期成分(SSNA・UA)であることを報告した。しかしSSNA・UAに同じく心周期同期性を持つ筋交感神経活動(MSNA)が混入する可能性を否定できなかった。今回我々はヒト高体温時において頭部拳上はSSNA・UAを減弱させMSNAを亢進させることを発見した。つまり、SSNA・UAにはMSNAは含まれないことが示された。
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