研究課題/領域番号 |
23590283
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
田丸 輝也 東邦大学, 医学部, 講師 (80291706)
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キーワード | circadian rhythm / reactive oxygen spieces / phosphorylation / heat shock / oxidative stress / apoptosis / bioluminescence / microarray |
研究概要 |
概日システムは、分子時計が支配するゲノムワイドな生命過程の統合制御系である。その機能不全は睡眠障害、メタボリックシンドローム、癌、神経・精神疾患などの憎悪に関わっている。申請者は、時計制御転写因子BMAL1を日周性にリン酸化するプロテインキナーゼとしてCK2を同定し、BMAL1の修飾による転写制御が哺乳類概日システムに必須の過程であることを解明している(Nat Struct Mol Biol 2009, Nature 2007, Science 2005)。本研究の目的は、概日システムを司る細胞内情報伝達系(日周性シグナロソーム)、とくにCK2をコアとした蛋白質リン酸化オシレータによる時間特異的・周期的な統合制御システムの構成と生理的意義を解明することである。具体的には、I) CK2によるリン酸化がBMAL1の日周性修飾を統合的に制御する。II) CK2をコアとした蛋白質リン酸化オシレータの活性振動機構を明らかにする。I,IIで得られた知見を土台にして、III) 蛋白質リン酸化オシレータが制御する日周性シグナロソームの生理的意義として、発癌プロセスへの関与を明らかにする。IV) 時計同調系からの蛋白質リン酸化オシレータへの入力系への関与を明らかにする。 本年度は、前年度に引き続き、CK2をコアとした日周性リン酸化オシレータの統合的な役割を解明し、CK2活性の日周期変動機構に時計制御蛋白質との周期的相互作用が関与していることを示した(投稿準備中)。熱ショック刺激(PLoS ONE 2011)、癌などの様々な疾患のプロセスに関与する活性酸素による活性酸素ストレス刺激により、概日リズム同調が起き、ストレスに対する細胞の生存の為のシグナリングにCK2が統合する概日システムと熱ショック応答系、抗アポトーシス系、抗酸化系が構成するシグナロソーム関与していることを解明した(投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、概日システムを司る細胞内情報伝達系(日周性シグナロソーム)、とくにCK2をコアとした蛋白質リン酸化オシレータによる時間特異的・周期的な統合制御システムの構成と生理的意義を解明することである。当初、計画していた上記4つのテーマのうち、I) はほぼ完了、II)についてはおおむね完了した。つまり、CK2をコアとした蛋白質リン酸化オシレータの構成をかなり解明することができた。I,II で得られた知見を土台にして、III,IV)についても、かなりの成果を得て原著論文を発表し、本年度にかけて、さらに目覚ましい成果を得て投稿論文を準備している。日周性シグナロソームの構成・生理的・病理的意義の解明に向けて、今後の研究の方向付けがある程度できた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに以下の研究についてはかなりの成果を挙げた、I) CK2によるリン酸化がBMAL1の日周性修飾を統合的に制御する。II) CK2をコアとした蛋白質リン酸化オシレータの活性振動機構を明らかにする。今後をIIをさらに詳細に解明するとともに、I,IIの成果を基盤にして、III) 蛋白質リン酸化オシレータが制御する日周性シグナロソームの生理的意義として、発癌等の疾患プロセスへの関与として活性酸素ストレスに適応応答する日周性シグナロソームの構成とその意義を解明する。IV) 時計同調系からの蛋白質リン酸化オシレータへの入力系の1つとしてCK2が統合制御するシグナロソームの関与を明らかにすることに重点を移して研究を推進する。具体的には、活性酸素による酸化ストレス刺激により、概日リズム同調が起きる為の分子基盤をマイクロアレイ解析等によって詳細に解明する。例えば、このトランスクリプトームの解明により、概日システム、熱ショック応答系、抗アポトーシス系、抗酸化系のクロストークが関与していることが示唆されているが、その制御機構として、CK2によるHSF1, BMAL1のリン酸化による制御機構を解明し、日周性シグナロソームの生理的意義、発癌等疾患の初期過程への関わりを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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