研究課題/領域番号 |
23590293
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研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
千田 大 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (90312842)
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研究分担者 |
藤岡 仁美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50410064)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ストレス / 視床下部-下垂体-副腎軸 / 性周期異常 |
研究概要 |
ストレスは、視床下部-下垂体-副腎軸(HPA 軸)を活性化し、視床下部からCRH 分泌を促進し、下垂体からのACTH 分泌を介して、副腎皮質からグルココルチコイド分泌を誘導する。視床下部性月経不順において、HPA 軸の異常との相関を示す臨床データが蓄積されて来ており(Rev Reprod. 2000 5:105-)、種々のストレスによるLH 分泌の抑制は、副腎由来のグルココルチコイドと視床下部からのCRH によって引き起こされると考えられるようになって来ている。申請者らの研究グループは、世界に先駆けて作成、解析してきたMC2R KO マウス (Chida et al. PNAS 2007, MCE 2009)において、グルココルチコイドが産生されず視床下部においてCRH 発現が増強され、性周期異常(発情休止期延長)が引き起こされていることを見出し、疾患モデルとしての有用性を示した(Matsuwaki et al. Endocrinology 2010)。本研究では、慢性ストレスによる生殖機能障害の病態解明と治療法の開発を目的として、MC2R KO マウスを用いて研究を推進する。これまでに、MC2R KOマウスでは、GnRH神経の活性制御に関わる主要な経路であるキスペプチン経路に異常はないことを報告した。さらに、GnRH神経の活性制御に関わる生理活性ペプチドに対するアゴニストあるいはアンタゴニストの慢性投与によってMC2R KOマウスの視床下部性性周期異常が回復するかどうか検討し、レプチンの慢性投与がMC2R KOマウスの性周期異常を回復させることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レプチンの慢性投与がMC2R KOマウスの性周期異常を回復させるという興味深い知見を得る事が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
レプチンの慢性投与がMC2R KOマウスの性周期異常を回復させることを見出したので、レプチンによる治療効果の分子機構についても検討を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画に沿って、適正に使用する。
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