研究課題
申請者らは、独自に開発したACTH受容体遺伝子改変マウス(MC2R KOマウス)がグルココルチコイドによるネガティブフィードバックが起こらず、定常状態で視床下部におけるCRH遺伝子が慢性的に強発現しており、慢性ストレスによる性周期遅延を示す動物モデルとして、有用であることを明らかにして来た(Matsuwaki et al. Endocrinology 2010)。CRH受容体アンタゴニスト投与によって、性周期遅延が回復する事を報告したが、その分子機構の理解は、十分ではない。分子機構の解明を通して、新たな治療標的分子の同定することが期待される。グルココルチコイドによるネガティブフィードバックが起こらない事によって、視床下部CRH遺伝子が強発現している事を報告してきた。CRH関連遺伝子、Ucn1、2、3発現を免疫染色によって検討した。Ucn1、3は、発現を検出する事が出来たが、MC2R KOマウスにおける発現レベルは、野生型と有為な差が見られなかった。Ucn2の発現は、検出する事が出来なかったので、新たな抗体を検討する予定である。MC2R KOマウスでは、視床下部GnRH発現が抑制されている事を見出している。グルココルチコイドによるネガティブフィードバックの欠如がGnRH発現抑制を引き起こしていると考えられる。ラットにおいて、ストレスによるLHパルス抑制を解除する事が知られているレプチン、βエンドルフィンブロッカーがMC2R KOマウスの性周期回帰遅延を回復させることを明らかにした。レプチンおよびβエンドルフィンとHPA軸との関係について検討したところ、レプチン投与およびβエンドルフィンアンタゴニストの投与によって、MC2R KOマウスの性周期異常が回復する事を見出した。今後、より詳細なメカニズムが明らかにされる事が期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
Int J Oral Maxillofac Surg.
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doi: 10.1016/j.ijom.2013.06.004.
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