心筋梗塞後のすみやかな心臓の再灌流は、心筋保護のために必須である。しかしながら、再灌流はそれ自身が虚血心筋の障害をかえって悪化させてしまうことがある(再灌流障害)。心筋神経終末からの過剰なノルエピネフリン放出は、虚血心筋障害に関与している。プロスタノイドは、プロスタグランジン(PG)とトロンボキサンからなる生理活性脂質である。本研究で我々は、PGE2受容体欠損マウスを用いて、心筋梗塞におけるプロスタノイドの心筋保護作用のメカニズムについて解析した。その結果、虚血心臓において、内因性のPGE2は、EP3受容体を介してノルエピネフリン放出を抑制していることが明らかとなった。
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