研究課題
Tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)はTNF super familyに属するcytokineであり、広範囲の癌細胞にapoptosisを誘導するが、正常細胞には影響しない。我々は、EGFR-TKIに対する非小細胞肺がん(NSCLC)耐性株を樹立し、この細胞が親株に比してTRAILに対して約70倍の交叉感受性を獲得することを見出した。この分子機構の解析を行うとともに、EGFR-TKI、TRAIL併用療法の臨床応用の可能性について解析を行った。EGFR-TKI耐性細胞PC-9MET200ではc-METの過剰発現をきたし、耐性が誘導されている。親株のPC-9細胞では、TRAILはapoptotic signalを活性化すると同時に、TRAIL受容体からEGFRへのcrosstalkを介してanti-apoptotic signalを誘導するため、その抗腫瘍活性は限定的となる。耐性株においてはTRAIL受容体からc-MET受容体へのcrosstalk signalは誘導されず、TRAIL刺激時のAKT/NFkB経路活性化が減弱していることが明らかとなった。PC-9MET200細胞では、TRAILによるanti-apoptotic signal活性化誘導が減弱することで交叉感受性を獲得するものと考えられた。一方、EGFR-TKIに高感受性のNSCLC株4種では、いずれもerlotinibとTRAILの相乗的、相加的な抗腫瘍効果が確認された。また、afatinibとの併用では、EGFRの2次変異(T790M)によるEGFR-TKI耐性細胞を含むEGFR発現細胞10株で相加的効果を確認した。以上から、EGFR-TKIとTRAILの併用療法は、NSCLCに対する効果的な治療法となる可能性がある。
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INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY
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