研究課題/領域番号 |
23590312
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
村木 克彦 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (20254310)
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研究分担者 |
波多野 紀行 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (50454319)
鈴木 裕可 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (00581026)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | カチオンチャネル / タンパク分解 / 細胞異常 / イオンチャネル / ユビキチン |
研究概要 |
H23年度は、おもにTRPV4型カチオンチャネルの分解制御機構について検討し、以下の結果を得た。 TRPV4型カチオンチャネルが発現するヒト培養細胞を24時間、酵素阻害剤で処理するとTRPV4型カチオンチャネルの活性が有意に上昇した。このときTRPV4型カチオンチャネルの遺伝子発現量は変化しなかった。またTRPV4型カチオンチャネルのタンパク発現量も変化しなかった。このことから酵素阻害剤は、TRPV4型カチオンチャネルに直接作用することなく、チャネル活性を上昇させることが明らかになった。現在、TRPV4型カチオンチャネルの活性を変化させるタンパク質の探索を行っている。 その他の成果として、疼痛刺激のシグナル伝達に極めて重要なTRPA1型カチオンチャネルが、臨床応用されているリウマチ治療薬のオーラノフィンで強力に活性化されることをはじめて明らかにした。また変異型TRPA1型カチオンチャネル発現細胞を用いることで、オーラノフィンのTRPA1型カチオンチャネル作用部位を同定した。さらにヒト神経細胞でもオーラノフィンがTRPA1型カチオンチャネルを強力に活性化することを明らかにした(H23年度日本薬理学総会 発表済み、American Journal of Physiology revise中)。この成果はオーラノフィン服用時にまれに観察される神経因性疼痛の作用機序を解明したものと考えられ、臨床医学上極めて重要な発見であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、タンパク分解との関連は不明であるが、ヒト細胞中にTRPV4型カチオンチャネルの活性を変化させるタンパク質が存在することを示す新規性の高い結果を得ており、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
特異的な薬理学的試薬等の使用による分子薬理学的実験および想定タンパク質の強制発現および想定タンパク質のノックダウン法による分子生物学的実験により、TRPV4型カチオンチャネル活性を変化させるタンパク質を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度も分子薬理学実験および分子生物学実験を中心に行うため、H24年度研究費の70%を消耗品費として使用する。また迅速な実験の進捗を図るため、サーマルサイクラーの購入を予定している。
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