メタボリックシンドロームの合併症予防を目指したキマーゼ阻害の意義

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590313
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 薬理学一般
• 研究機関: 大阪医科大学
• 研究代表者: 高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80288703)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: キマーゼ / メタボリックシンドローム / 合併症 / 阻害薬 / 高血圧 / NASH / 脳卒中 / 血管障害

研究概要

メタボリックシンドロームの合併症として非アルコール性脂肪性肝炎（NASH）や脳卒中易発性高血圧自然発症（SHR-SP）ラットにおけるキマーゼ阻害薬の効果を検討した。ハムスターNASHモデルでは、キマーゼ阻害薬による血漿中ASTおよびALTが改善され、肝臓組織中の脂肪滴や線維化の改善効果も示された。SHR-SPラットでキマーゼ阻害薬は血圧に影響なく抗酸化作用と血管内皮への炎症細胞浸潤防止を介して血管内皮機能障害を予防した。キマーゼ阻害薬は有意に生存期間も延長させた。
これらの結果は、キマーゼ阻害がメタボリックシンドロームの合併症を予防するのに有用なストラテジーになることを示唆する。

研究成果

• [雑誌論文] Chymase inhibitor ameliorates hepatic steatosis and fibrosis on established non-alcoholic steatohepatitis in hamsters fed a methionine- and choline-deficient diet (2013)
  • 著者名/発表者名: Masubuchi S, Takai S, Jin D, Tashiro K, Komeda K, Li ZL, Otsuki Y, Okamura H, Hayashi M, Uchiyama K
  • 雑誌名: Hepatol Res 巻: Vol.43、No.9 ページ: 970-978
  • 査読あり
• [雑誌論文] Chymase inhibition improves vascular dysfunction and survival in stroke-prone spontaneously hypertensive rats
  • 著者名/発表者名: Takai S, Jin D, Chen H, Li W, Yamamoto H, Yamanishi K, MiyazakiM, Higashino H, Yamanishi H, Okamura H
  • 雑誌名: J Hypetens 巻: (In press)
  • 査読あり
• [学会発表] 脳卒中易発性高血圧自然発症ラットの血管障害に対するキマーゼ阻害薬の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 髙井真司, 金徳男, 陳紅, 李文, 山本英幸, 山西恭輔, 宮崎瑞夫, 山西博道, 岡村春樹
  • 学会等名: 第124回日本薬理学会近畿部会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2013-11-01
• [学会発表] 脳卒中易発性高血圧自然発症ラットの血管障害におけるキマーゼの役割 (2013)
  • 著者名/発表者名: 髙井真司, 金徳男, 陳紅, 李文, 山本英幸, 山西恭輔, 宮崎瑞夫, 山西博道, 岡村春樹
  • 学会等名: 第36回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2013-10-25
• [学会発表] A chymase inhibitor, ty-51469, ameliorates already formed hepatic steatosis and fibrosis in a hamster nonalcoholic steatohepatitis (nash) model (2012)
  • 著者名/発表者名: Masubuchi S, Takai S, Jin D, Tashiro K, Komeda K, Hayashi M, Uchiyama K
  • 学会等名: 63th Annual meeting of American Association for the Study of Liver Diseases
  • 発表場所: ボストン(米国)
  • 年月日: 2012-11-09