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2011 年度 実施状況報告書

サルコメアの形成・維持におけるアクチン重合機構の役割と制御

研究課題

研究課題/領域番号 23590337
研究機関九州大学

研究代表者

武谷 立  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335981)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード細胞・組織 / 循環器・高血圧 / 発生・分化
研究概要

本研究の目的は、横紋筋の収縮装置「サルコメア」の構築・維持機構を、アクチン重合制御の観点から明らかにすることである。具体的には、アクチンとミオシン両線維が規則正しく整列したサルコメア構造の形成に必須であるアクチン重合制御因子Fhod3のマウス個体における機能を中心に、サルコメアの構築・維持においてアクチン重合制御機構が果たす役割を明らかにすることを目指している。初年度である本年度は、野生型マウスを用いて心筋組織におけるFhod3の発現様式を発生段階別に詳細に検討するとともに、その細胞内の局在様式を検討した。その結果、Fhod3は胎生期から成体期に至るまで心臓に強く発現し、心筋サルコメア内に周期的に局在することが明らかとなった。さらに、心臓特異的に発現するα型ミオシン重鎖(α-MHC)のプロモーター支配下にFhod3を発現するトランスジェニックマウスを作出し、過剰発現したFhod3の局在を観察したところ、外因性Fhod3も内因性Fhod3と同様の局在パターンを示した。このサルコメア内におけるFhod3の局在を、各種マーカー蛋白質との比較等により詳細に観察した結果、Fhod3はアクチン線維の端ではなく、アクチン線維とミオシン線維がオーバーラップする領域に局在することが判明した。この結果は、アクチン線維のプラス端に相互作用するというこれまでのin vitro解析の結果(Taniguchi et al. JBC 2009)から予測される局在部位とは異なっており、当初予想された「Fhod3が単純な重合促進因子として作用する」というメカニズムよりも複雑な重合制御機構が存在する可能性を示唆していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに研究成果が得られているため。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りに研究を推進していく。

次年度の研究費の使用計画

当初の計画通りに研究費を使用していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Expression and Subcellular Localization of Mammalian Formin Fhod3 in the Embryonic and Adult Heart2012

    • 著者名/発表者名
      Meikun Kan-o, Ryu Takeya, Kenichiro Taniguchi, Yoshihisa Tanoue, Ryuji Tominaga, Hideki Sumimoto
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7 ページ: e34765

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0034765

    • 査読あり
  • [学会発表] formin相同蛋白質Fhod3のマウス胎仔、成獣、およびヒト心筋サルコメアにおける局在2011

    • 著者名/発表者名
      神尾明君、武谷 立、田ノ上禎久、富永隆治、住本英樹
    • 学会等名
      第84回日本生化学大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011 – 921-24
  • [学会発表] formin相同蛋白質Fhod3の心筋サルコメアにおける局在と機能2011

    • 著者名/発表者名
      神尾明君、武谷 立、田ノ上禎久、富永隆治、住本英樹
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011 – 1213-16

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公開日: 2013-07-10  

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