研究実績の概要 |
TMEM65がミトコンドリアにおける酸素消費等を制御している可能性を異なる側面から検証するため、siRNA法およびリアルタイムPCR法を用いて、TMEM65のmRNA発現量を低下させることでミトコンドリア関連遺伝子の発現量に影響が出るか調べた。具体的には、まず、HepG2細胞にsiRNAを導入することで、コントロール細胞、および、TMEM65ノックダウン細胞を得た。次に、これらの細胞から回収したRNAを鋳型としてcDNAを合成し、それをテンプレートして、リアルタイムPCR法によるミトコンドリア関連遺伝子の発現量解析を行った。その結果、調べた範囲内では、TMEM65のノックダウンにより有意に発現量が変化したものは見つからなかった。TMEM65が実際にミトコンドリアにおける酸素消費を制御しているか確認するためには、今後、解析対象とするミトコンドリア関連遺伝子の種類を増やしてリアルタイムPCR法による解析を行うとともに、何らかの別の実験系を用いて検証を行う必要があると思われる。なお、TMEM65については、これまでに得られていた研究結果をまとめ、原著論文として発表した。具体的には、①ミトコンドリア内膜に局在する膜タンパク質であること、②アミノ末端側にミトコンドリア移行シグナル配列を含むプレ配列型のミトコンドリアタンパク質であること、③ミトコンドリア内膜に輸送されるとシグナル配列が切除されて成熟型になること、などの結果をまとめて発表した(Nishimura et al., PeerJ (2014) 2, e349)。
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