ミトコンドリア転写因子ｍｔＴＦＡの核内発現の意義とストレス耐性機構の解明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590351
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医化学一般
• 研究機関: 産業医科大学
• 研究代表者: 和泉 弘人 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50289576)
• 連携研究者: 島尻 正平 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30320344)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: mtTFA / 遺伝子発現 / 転写因子 / 抗アポトーシス / ストレス耐性

研究概要

TFAM (transcription factor A, mitochondrial) から合成された転写因子mtTFAは、ミトコンドリアに移行し、種々の遺伝子発現を転写レベルで制御している。本研究では、mtTFAは、ミトコンドリアだけでなく核内にも存在すること、抗アポトーシス遺伝子であるBIRC5 (Survivin)やBCL2L1 (BCL-xL)の発現を転写レベルで制御すること、がん細胞の増殖がmtTFAの発現と密接に相関すること、mtTFAの核内発現は漿液性卵巣がんの予後不良因子であることを見出した。これらの研究成果は、mtTFAを分子標的とするがん治療に貢献できると考えている。

研究成果

• [雑誌論文] Clinical significance of mitochondrial transcription factor A expression in patients with colorectal cancer (2012)
  • 著者名/発表者名: Nakayama Y, Yamauchi M, Minagawa N, Torigoe T, Izumi H, Kohno K, Yamaguchi K
  • 雑誌名: Oncol Rep 巻: 27(5) ページ: 1325-1330
  • DOI: 10.3892/or.2012.1640
  • 査読あり
• [雑誌論文] Mitochondrial transcription factor A regulates BCL2L1 gene expression and is a prognostic factor in serous ovarian cancer (2012)
  • 著者名/発表者名: Kurita T, Izumi H, Kagami S, Kawagoe T, Toki N, Matsuura Y, Hachisuga T, Kohno K
  • 雑誌名: Cancer Sci 巻: 103(2) ページ: 239-444
  • DOI: 10.1111/j.1349-7006.2011.02156.x
  • 査読あり
• [雑誌論文] (2011)
  • 著者名/発表者名: Han B, Izumi H, Yasuniwa Y, Akiyama M, Yamaguchi T, Fujimoto N, Matsumoto T, Wu B, Tanimoto A, Sasaguri Y, Kohno K
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 29;408(1) ページ: 45-51
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2011.03.114
  • 査読あり
• [学会発表] mtTFA regulates BCL2L1 gene expression and its one of the prognostic factors in serous ovarian cancer (2011)
  • 著者名/発表者名: Akiyama M, Izumi H, Kurita T, Yamaguchi T, Yasuniwa Y, Hachisuga T, Kohno K
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(名古屋)
  • 年月日: 20111003-05
• [学会発表] mtTFAは卵巣漿液性嚢胞腺癌の予後不良分子でBcl-XLの発現を制御する (2011)
  • 著者名/発表者名: 栗田智子, 鏡誠治, 卜部理恵, 川越俊典, 土岐尚之, 松浦祐介, 蜂須賀徹, 和泉弘人, 河野公俊
  • 学会等名: 第63回日本産科婦人科学会学術講演会
  • 発表場所: リーガロイヤルホテル大阪および大阪国際会議場(大阪)
  • 年月日: 20110829-31
• [学会発表] mtTFAは核でBCL2L1の発現を制御し漿液性卵巣がんにおける予後不良因子である (2011)
  • 著者名/発表者名: 秋山正樹, 和泉弘人, 栗田智子, 山口享宏, 安庭義浩, 河野公俊
  • 学会等名: 第15回日本がん分子標的治療学会学術集会
  • 発表場所: ホテル日航東京(東京)
  • 年月日: 20110622-24