研究課題/領域番号 |
23590353
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古山 和道 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80280874)
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研究分担者 |
柴原 茂樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00154253)
金子 桐子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10545784)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ヘム / アミノレブリン酸合成酵素 / 翻訳後修飾 |
研究概要 |
5-アミノレブリン酸合成酵素(以下ALAS)はヘム生合成系の律速酵素で、その発現は、最終産物のヘムにより転写、翻訳、翻訳後修飾の全ての段階で負に制御されている(negative feedback)。ALASは細胞質で翻訳された後にミトコンドリアへ移行し機能するが、申請者はヘムによりALASが細胞質でホモダイマーのまま共有結合する事により(covalent homodimerの形成;以下C-H)ミトコンドリアに移行できなくなる事を見出した。すなわち、ヘムによるC-Hの形成促進は、ヘムによるnegative feedbackの一翼を担う可能性が高い。従って、本研究はC-Hの形成機構の詳細を明らかにすることにより、新たなnegative feedback機構を解明する事を目的としている。今年度は、再現性よく効率的に研究を進める事を目的に、まず精製・検出用にtagを付与したALASを安定的に、かつ誘導性に発現させる恐tのできる細胞株の樹立を試みた。その結果、ALASのカルボキシル末端にFLAG-tagを付与した組換えタンパク質をテトラサイクリンの添加により誘導性に発現させる事のできるHEK293細胞を樹立する事に成功した。次に、FLAG-tagに対する抗体を用いた免疫沈降によりC-Hも含めて精製できる事を確認した後、ヘムの添加によりALASタンパク質が非特異的な酸化を受けるかどうかの検討を、カルボニル化タンパク質検出キットを用いて行なった。すなわち、過剰なヘムがALASタンパク質を酸化し、その結果C-Hの形成が促進されるのではないかと考えたが、C-Hの形成におけるALASタンパク質酸化の関与は同定できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年3月11日に発生した東日本大震災とそれに引き続く4月7日の余震により研究室の設備は壊滅的な被害を受けたため、研究の開始を遅らさざるを得なかった。また、その後も被災した研究機器の更新に時間を要したため、通樹の研究体制に戻るまでに時間がかかったため、研究の進展は現在でもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により研究室の設備は壊滅的な被害を受け、なかなか通樹の研究体制に戻れなかったため、研究の進展が遅れることとなった。このため、一部の研究費を次年度に使用する事とした。現在行なっている研究計画に大きな変更は無いが、研究方法を見直す事などにより、より効率よく研究を進める事ができる様に努力したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は自然災害に伴う研究の遅れにより計画どおり遂行できなかった事により生じたものであり、当初,平成23年度中に行なう予定であった研究を行なうために必要な経費として平成24年度請求額と合わせて使用する予定である。
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