研究課題/領域番号 |
23590353
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古山 和道 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80280874)
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研究分担者 |
柴原 茂樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00154253)
金子 桐子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10545784)
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キーワード | ヘム / アミノレブリン酸合成酵素 |
研究概要 |
本研究はヘムによるヘム生合成系の制御機構のうち、ヘム生合成系の初発反応を触媒し、同系の律速酵素でもある5-アミノレブリン酸合成酵素(以下ALASと省略)の機能発現をヘムがどのように制御しているのかを明らかにすることを目的に行なっている。ALASは細胞質で翻訳された後にミトコンドリアに移行し、ミトコンドリアのマトリクスで機能する酵素であるが、全ての細胞で発現するALAS1と赤芽球のみで発現するALAS2の二つのアイソザイムが存在する。ALAS2をヒト培養細胞でFLAG-tagとの融合たんぱく質として発現させ、tagに対する抗体を用いて免疫沈降を行って精製し、その精製たんぱく質に含まれるたんぱく質を液体クロマトグラフィーと質量分析装置を併用した検討(LC/MS)により解析したところ、LONP1というたんぱく質がALAS2と結合することが明らかとなった。LONP1はALASと同様に細胞質で翻訳された後にミトコンドリアのマトリクスに移行してATP依存性にたんぱく質を分解する酵素で、近年、ヘム依存性にALAS1の分解を促進することが報告された。従って、ALAS1と同様にALAS2もヘム依存性に分解される可能性があるため、現在は細胞内のヘム量が、ALAS2とLONP1との結合にどのような影響を及ぼすかについてさらに検討中である。また、LC/MS法を用いて、LONP1以外にもALAS2と結合するたんぱく質をいくつか同定することができたので、それらのたんぱく質とALASとの結合の意味についてもさらに検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度には平成23年度の遅れを取り戻し、現在はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
LC/MSを用いてALAS1およびALAS2と結合する新たなたんぱく質を同定することができたので、今年度は主として、それらのたんぱく質とALASとの結合がどの様な意味を持っているのか、さらには結合を増強したり現弱したりする条件を明らかにすることを目標として研究を推進したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定より効率よく研究を遂行できたため、次年度に使用する予定の研究費(642円)が生じた。当該研究費については平成25年度に請求する研究費と合わせて使用する予定であるが、研究計画に大きな変更はない。
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