本研究では低分子量G蛋白質Rhoシグナル、特に創薬標的となりうる下流のリン酸化酵素に焦点を当てて、疾患の発症や進行の分子基盤の解明を目指した。まず、インタラクトームを基盤としたリン酸化酵素の基質スクリーニング法の開発を行い、効率良くRho-キナーゼやPKN、aPKC等の基質候補を得ることに成功した。Rho-キナーゼの基質としてがん抑制蛋白質であるScribや、心筋症の原因遺伝子産物であるCARPやMYL2等を得た。リン酸化によってScribやCARPの機能がどのように調節されるかを示した。また、PKAがRho-キナーゼをリン酸化することを見出し、両者の間にクロストークが存在することを示した。
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