日本の認知症は460万人、その予備軍の軽度認知障害は400万人とされ、予想を超える速度で増加している。この傾向は欧米各国でも同様で、その大部分を占めるアルツハイマー病(AD)の根本的治療法の確立が急務となっている。 過去の研究で、ADではアミロイドβ蛋白(Aβ)の異常増加が認められ、Aβ産生増加でマウスの認知機能低下すること示されており、Aβ産生調節は大きな鍵を握る。本研究では、①Aβの産生酵素の新規調節蛋白を同定し、②重大な副作用の起こしにくい選択的調節であること、③この蛋白の増加は、個体レベルでもAβ産生を軽減させることを発見した。以上より、同定蛋白がAD根本治療の標的となる可能性を示した。
|