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2011 年度 実施状況報告書

ー破骨細胞による骨分解機構の解明ー 骨破壊性疾患の克服に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 23590374
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

通山 由美  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70362770)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード破骨細胞 / ATP / P2X7受容体 / Syk / F-アクチン
研究概要

ヒト末梢血由来の単球およびヒト白血病細胞株を破骨細胞へと分化誘導し、象牙質切片や、骨基質を塗布したグラス上で骨分解過程をin vitroに再現する系を確立した。骨分解の開始刺激としてATPを利用し、刺激後の変化を、(1) シーリングゾーン(環状の接着帯)の形成に必須のF-アクチンの再構築、(2) 骨分解酵素を含むリソソームの細胞内輸送とその輸送を支える微小管のダイナミクス、(3) 骨表面への放出機構、という視点から経時的に解析した。とりわけ今年度は、(1)シーリングゾーンを構成するF-アクチンを中心としたドット状の複合体構造、podosomeの形成機構に注目した。podosome形成に関わる標的分子を、ATP刺激後のプロセスにより1)ATP/P2X7刺激で活性化するチロシンキナーゼSykとその下流で働くシグナル伝達分子群、2) podosome複合体構成分子の輸送に関わる分子群、および3)アクチンとともにpodosomeの構成成分となる分子群に分けて検討した。1)Sykの下流分子として、破骨細胞様分化において発現量の増加が認められるセリン・スレオニンキナーゼ、PKCδ、2)輸送に関わる分子としてキネシンファミリー分子であるKIF20A、3)podosome成分として細胞骨格を構成する中間径フィラメント、ビメンチンに焦点をあて、podosome形成能を有するヒト白血病細胞株HL60について、これら分子の発現抑制変異型を作成した。引き続き、podosome形成能における影響を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

F-アクチンを中心とした複合体であるpodosomeの形成機構に注目して研究を開始したが、個々の標的分子の変異株の作成に時間を要したため、詳細な機能の解析検討が遅れている。

今後の研究の推進方策

平成23年度に作成した変異株を用いpodosome 形成時における各標的分子の機能解明に取り組む。さらに、変異型-破骨細胞の機能をより生体内に近い環境で解析するため、骨髄微小環境を再現するin vitro モデルおよびその中でのバイオイメージングシステムの確立に取り組む。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度において、標的分子変異株の作成に時間を要したため、培養システムを駆使した解析検討に必要な研究費を次年度に活用する。上記、in vitro モデル、およびバイオイメージングシステムの確立のため、細胞培養装置(当初平成23年度購入予定)と培養器具、およびその際必要な試薬を購入する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rab27b regulates c-kit expression by controlling the secretion of stem cell factor2012

    • 著者名/発表者名
      Tanaka C, Kaji H, He J, Hazama R, Yokoyama K, Kinoshita E, Tsujioka T, Tohyama K, Yamamura H, Nishio H, Tohyama Y
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 419 ページ: 368-373

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.02.030

    • 査読あり
  • [学会発表] Rab27a regulates complement-mediated phagocytosis in a different way between neutrophils and macrophages2011

    • 著者名/発表者名
      Jinsong He
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2011年9月22日
  • [学会発表] Rab27b による c-kitの発現調節を介した巨核球分化/成熟のメカニズムの検討2011

    • 著者名/発表者名
      田中千都
    • 学会等名
      第58回 日本生化学会 近畿支部例会
    • 発表場所
      関西医科大学滝井キャンパス(守口市)
    • 年月日
      2011年5 月21 日
  • [学会発表] マクロファージにより補体受容体を介して貪食されたカンジダ菌の細胞内殺菌メカニズムに関する基礎検討2011

    • 著者名/発表者名
      加地弘明
    • 学会等名
      第58回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山市)
    • 年月日
      2011年11月20日
  • [学会発表] Rab27a negatively regulates phagocytosis during the actin-coating stage in HL60-derived macrophages2011

    • 著者名/発表者名
      Yumi Tohyama (通山由美)
    • 学会等名
      第73回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2011年10月16日
  • [備考]

    • URL

      http://www.himeji-du.ac.jp/faculty/dp_pharm/pharm/pt2/index.html

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公開日: 2013-07-10  

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