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2012 年度 実施状況報告書

ー破骨細胞による骨分解機構の解明ー 骨破壊性疾患の克服に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 23590374
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

通山 由美  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70362770)

キーワード破骨細胞 / ATP / アクチン
研究概要

ヒト末梢血由来の単球およびヒト白血病細胞株を分化誘導した破骨細胞モデルを用いて破骨細胞の活性化プロセスを追跡した。骨分解の開始刺激としてATPを利用し、刺激後の変化を、①環状の接着帯(シーリングゾーン)の形成に必須のF-アクチンの再構築、②リソソームの細胞内輸送とその輸送に関わる微小管のダイナミクス、③ 骨表面への放出機構という視点から経時的に解析した。とりわけ平成23年度の研究において注目した1)ATP/P2X7刺激で活性化するチロシンキナーゼSykの下流で働くシグナル伝達分子PKCδ、2)キネシンファミリータンパク質KIF20A、および 3)細胞骨格タンパク質ビメンチンについては、各々のノックダウン型ヒト白血病細胞株HL60とcontrol-shRNAを導入したcontrolノックダウンHL60細胞を比較してその影響を検討した。1)PKCδノックダウン細胞では、分化により誘導される接着分子インテグリンの発現に抑制が認められたが、podosomeの形状や頻度に大きな差異は認められなかった。2)KIF20Aノックダウン細胞では、分化プロセスにおいて多核化が亢進して巨細胞化したが、podosome複合体についての顕著な違いは見いだせなかった。3)ビメンチンノックダウン細胞では、形態のいびつな細胞が多く、シーリングゾーンの環状形態が不明瞭であった。さらに細胞内分解に関わる分子として新たな視点で作成したSMNノックダウン細胞の作成と基礎検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

F-アクチン複合体であるpodosomeの形成機構に注目して標的分子のノックダウン株を作成したが、破骨細胞の分化成熟に対する影響の確認に時間を要し、成熟後のpodosome形成に特化した検討への取り組み開始が遅くなった。

今後の研究の推進方策

平成24年度の検討で、シーリングゾーンの環状形態に影響の認められたビメンチン変異株、および新たに作成したSMNノックダウン株の解析を通して、podosome の形成、リソソームの細胞内輸送、輸送に関わる微小管のダイナミクスおよび骨表面への放出機構の解明に取り組む。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の研究費の一部を新たに作成したSMNノックダウン細胞株の解析検討に活用する。平成23、24年度に引き続き、in vitroの細胞培養実験およびバイオイメージングシステムに必要な試薬および器具を購入する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Effects of DNA methyltransferase inhibitors (DNMTIs) on MDS-deribed cell lines.2013

    • 著者名/発表者名
      Tsujioka T, Yokoi A, Kishimoto M, Kuyama A, Suemori S, Tohyama Y, Tohyama K
    • 雑誌名

      Exp Hematol

      巻: 41 ページ: 189-197

    • DOI

      10.1016/j.exphem.2012.10.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oligopeptides derived from autophosphorylation sites of EGF receptor suppress EGF-stimulated responses in human lung carcinoma A549 cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Kuroda Y, Kato-Kogoe N, Tasaki E, Murata E, Ueda K, Abe M, Miyamoto K, Nakase I, Futaki S, Tohyama Y, Hirose M
    • 雑誌名

      Eur J Pharmacol

      巻: 698 ページ: 87-94

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2012.10.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Approach to New Therapeutics: Investigation by the Use of MDS-derived Cell Lines.2012

    • 著者名/発表者名
      Tsujioka T, Matsuoka A, Tohyama Y, Tohyama K
    • 雑誌名

      Curr Pharm Des.

      巻: 18 ページ: 3204-3214

    • 査読あり
  • [学会発表] 好中球におけるRab27Aの機能の検討“ミエロペルオキシダーゼ (MPO) の動態制御を介した補体依存性の貪食とNets形成における必須の機能”2012

    • 著者名/発表者名
      森田 寛之, 川上 辰三, 加地 弘明, 通山 由美
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121214-20121216
  • [学会発表] ヒト白血球とその培養細胞におけるグルタミン酸デカルボキシラーゼに関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      菊田 香苗, 通山 由美, 松川 聡子, 松田 覚, 赤桐 里美, 植野 洋志
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121214-20121216
  • [学会発表] Rab27a promotes phagosome maturation and neutrophil extracellular traps (NETs) formation2012

    • 著者名/発表者名
      通山由美, 加地弘明, 通山薫
    • 学会等名
      第41回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20121205-07
  • [学会発表] マクロファージに貪食されたカンジダ菌の殺菌機構におけるチロシンキナーゼSykの機能2012

    • 著者名/発表者名
      加地 弘明, 通山 薫, 通山 由美
    • 学会等名
      第59回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20121129-20121202
  • [学会発表] 補体を介した食作用におけるチロシンキナーゼSykの機能 好中球様に分化した白血病細胞株HL60による検討

    • 著者名/発表者名
      大口千穂、川上辰三、波多野亜紀、森田寛之、加地弘明、通山 由美
    • 学会等名
      第62回日本薬学会近畿支部大会
    • 発表場所
      武庫川女子大学
  • [学会発表] NETosis における低分子量Gタンパク質Rab27Aの機能解析

    • 著者名/発表者名
      川上辰三、森田寛之、加地弘明、通山 由美
    • 学会等名
      第62回日本薬学会近畿支部大会
    • 発表場所
      武庫川女子大学
  • [学会発表] 好中球のNetosisにおけるSykの機能の検討

    • 著者名/発表者名
      川上辰三,大口千穂,波多野亜紀,加地弘明,通山 由美
    • 学会等名
      第59回日本生化学会近畿支部例会
    • 発表場所
      京都大学

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公開日: 2014-07-24  

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