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2012 年度 実施状況報告書

遺伝子治療による膵臓内での膵島再生

研究課題

研究課題/領域番号 23590378
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小島 秀人  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00225434)

研究分担者 木村 博  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
キーワード遺伝子治療 / 膵島 / インスリン / 糖尿病 / 再生医療 / 国際情報交換 / アメリカ合衆国
研究概要

[研究の具体的内容]インスリン依存型糖尿病モデルマウスを用いて体内における本来の臓器位置である膵臓内に膵島を再生させ、糖尿病を完治させる。膵管内に残存する前駆細胞を標的とする遺伝子治療ベクターを作成し、ベクター内に膵島の分化誘導因子と増殖因子遺伝子を組込み治療する。平成23年度より引き続きベクター輸送のためのペプチド配列の採取を試みているが、どうしても特異ペプチドが得られず、また、それを用いたウイルスベクターの作成に困難を来している。そこで、ベクターを水溶性ナノダイヤモンドに変更し、そこに8個のアルギニンからなる強力な細胞内輸送配列を接着して新しい人工ベクターシステムを作成した。このベクターを、黄色蛍光色素(YFP)を組込んだプラスミドと静電結合させ、予備実験のための遺伝子輸送能を検討するためのベクターを完成させた。また、経十二指腸からの膵管への極細カテーテルを用いた膵管内へのミクロ注入のアプローチ手術は、30回以上の訓練により、術後マウスの生存率がほぼ70%まで上昇し、治療開始の準備はほぼ整った。そこで、予備実験のためにYFPベクターを注入した。治療後2日目にマウスを安楽死、組織固定後にすいぞうにおけるYFPの発現を観察したところ、黄色蛍光色素が膵管に沿って発現していた。 [本研究の意義] 当初作成を試みたヘルパー依存型アデノウイルスを用いた検討はペプチド配列の採取に困難を来していることから人工ベクターとして開発してきたナノダイヤモンドベクターを使用して、遺伝子輸送に成功した。ナノダイヤモンドベクターはウイルスベクター以上に安全なベクターであることから、きわめて意義深いと考えられる。
[本研究の重要性] この年度における成績は当初の予定よりやや遅れているものの、目的としての遺伝子輸送方法が確立できたことから、次年度の実際の治療に向けた検討に順調に進めることが可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベクターをウイルスベクターからナノダイヤモンドを用いた人工ベクターに変更した。この点では当初の方法を修正したが、実際の遺伝子輸送と発現に関するフィーシビリティースタディーは動物における手術手技の確立が順調に進み、順調に進行している。

今後の研究の推進方策

治療に用いる遺伝子として、当初のとおり膵島発現の転写因子ならびに膵島増殖因子を用いて、ナノダイヤモンドに結合させてSTZ糖尿病マウスに投与する。遺伝子の発現効果は予定通りSTZの血糖値の変動で観察し、有効な治療効果が得られた後、マウスを安楽死させ、組織学的な解析等を行う。また、可能であればNODマウスを用いて免疫抑制剤であるFTY720を同時に投与して自然発症1型糖尿病モデルでの検討も試みる。

次年度の研究費の使用計画

該当無し

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Haematopoietic cells produce BDNF and regulate appetite on migration to the hypothalamus2013

    • 著者名/発表者名
      H Urabe, H Kojima, L Chan, T Terashima, N Ogawa, M Katagi, K Fujino, A Kumagai, H Kawai, A Asakawa, A Inui, H Yasuda, Y Eguchi, K Oka, H Maegawa, A kashiwagi, H Kimura
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 4 ページ: 1526

    • DOI

      10.1038/ncomms2536

    • 査読あり
  • [学会発表] 糖尿病における骨髄幹細胞の分化異常ーTNF-alphaの発現とヒストンデアセチラーゼについてー2012

    • 著者名/発表者名
      樫美和子、小島秀人、木村博
    • 学会等名
      第11回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120612-20120614
  • [学会発表] 高血糖メモリーの解明ー骨髄におけるヒストンデアセチラーゼの発現ー2012

    • 著者名/発表者名
      小島秀人、樫美和子、木村博
    • 学会等名
      第6回日本エピジェネティクス研究会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120514-20120515

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公開日: 2014-07-24  

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