研究課題/領域番号 |
23590388
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 徹也 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50233622)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | triple negative / breast cancer / LAT1 / CD98 / EGFR / ductal component |
研究概要 |
群大病院において、Triple negative 浸潤癌(以下TN乳癌)約100例の外科手術材料について検討した。組織亜分類として、通常型の浸潤性乳管癌、乳癌特殊型に加えて、異型髄様型や中心無細胞型の大きく4分類にわけて比較し、その他Basal type (EGFR やkeratin 14 陽性) とunclassified type(同 陰性)に分けた比較などを行った。またそれぞれの癌を浸潤部分と、付随する乳管内成分に分けてその性格を検討した。随時、対照としてLuminal A, B, HER2 type乳癌も加えた。 ホルマリン固定 パラフィン包埋材料による組織学的 免疫組織学的検討を行った。抗体はER/PgR/HER2/EGFRに加えて、basal-markerであるkeratin 5/14及びそのほかp53、MIB1について、自動免疫染色装置(Ventana benchmark) を使用して染色する。CD98及びモノクロナールおよびポリクロナール抗体を使用してLAT1蛋白発現を検索した。研究結果:(1)TN乳癌では、乳管内成分は少なく、特に中心無細胞型ないし異型髄様型で、有意に少なかった。TN浸潤癌で乳管内がnon-TN細胞なものは6%のみで、その大部分が通常型乳癌であった。また中心無細胞型がOSが有意に低かった。(2)LAT1発現頻度はluminal A,B typeの乳癌に比較して、TN乳癌で有意に高かった。TN乳癌の中でもCD98陽性ないしCD98とLAT1両方陽性のものは、有意にDFSが低かった。多変量解析でも、CD98及びLAT1陽性は有意に予後不良因子であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画による免疫染色による検討は、ほぼ一年目でほぼ終了した。さらにEGFR発現、増幅、遺伝子変異に関する検索などを開始した。
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今後の研究の推進方策 |
H24配分額に関しては、TN乳癌における、EGFR及び関連蛋白の免疫組織学的検討を行う。さらにH25配分額と合わせ、DSIH(dual color in situ hybridization)による遺伝子増幅の検討を行う。またSmartAmp2法によって、ホルマリン固定パラフィン包埋切片からDNAを抽出して、EGFRのhot spotのactive mutationを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度少額であるが研究費が余った原因は、免疫染色主体の研究のため、消耗品代金が比較的少額であったためで、次年度に回し、DISHないし分子生物学的な研究を行うための消耗品費とする。
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