研究課題
今回はLAT1に加えて、stem cell markerに注目した。近年、Stem cell markerの研究でCD44のバリアントアイソフォーム(CD44v)による酸化ストレス抵抗性促進機構が報告された。CD44vは、酸性アミノ酸輸送系に属するxCTを安定化させることでその機能を発揮する。この他ALDH1やCD24がStem cell markerとして報告されてきた。中性アミノ酸輸送系に属するLAT1、LAT1とヘテロ二量体を形成するCD98の両者とこれらStem cell markerとの関係についてTMA標本を用いて免疫組織学的検討した。1999年から2002年まで群馬大学医学部附属病院にて手術された乳癌のうち、十分材料の得られた196例の連続した組織ブロックからTMAを作成した。免疫組織学的方法(ポリマー法、LSAB法)でTMA標本から発現を検討した。使用した抗体はER、PgR、HER2、Ki67に加え、乳癌幹細胞マーカーとしてALDH1、CD44、CD24を、アミノ酸トランスポーターとしてLAT1、CD98である。それぞれの発現の相互関係や予後との関係を検討した。Disease free survival (DFS)およびoverall survival(OS)はKaplan-Meier methodで検討した。乳癌症例はintrinsic subtypeでは、Luminal A 63%、Luminal B 9%、HER2 13%、TNBC 14%であった。それぞれの発現率はLAT1 64%、CD98 65%、ALDH1 6%(HER2 typeで19%、TNBCで18%と相対的に高い)、CD44 27%、CD24 14%であった。LAT1とCD98に相関がみられた。アミノ酸トランスポーターのLAT1発現陽性例ではDFSで予後不良因子であった。Stem cell markerと予後との関係は明らかでなかった。この他LAT1に関連してF-PETとの関係なども検討した。
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Eur J Nucl Med Mol
巻: 40 ページ: 1692-1700
10.1007/s00259-013-2477-9