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2011 年度 実施状況報告書

発癌における炎症性微小環境を調節する新規ケモカイン受容体バリアントの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23590406
研究機関横浜市立大学

研究代表者

古屋 充子  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10361445)

研究分担者 田中 玲子  千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教 (60143319)
青木 一郎  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00184028)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード炎症性微小環境 / ケモカイン / シグナル / 発癌 / 人体病理
研究概要

子宮内膜症合併卵巣癌(endometriosis-associated ovarian cancer; EAOC)をモデルに,発癌段階のIFN-γ誘導性ケモカイン受容体CXCR3のバリアントに着目し、CXCR3応答軸破綻が引き起こす病態を解明してきた. これまでの研究から, CXCR3は炎症疾患である子宮内膜症のみならず卵巣癌でも発現が亢進していることを示したが、癌におけるCXCR3上昇の意義は不明であった。今回の研究において、まずヒト内膜症とEAOCにおいて3種類のCXCR3バリアントが存在することをシークエンス解析から証明した。次にそれらの発現を比較したところ, CXCR3-Aは両者ともに高値であるが、CXCR3-BがEAOCでは抑制され、CXCR3-altがEAOCで亢進していることがわかった (Furuya M, et al. Gynecol Oncol 2011). またCXCR3-Bに対応するリガンドを検討したところ、CXCL4がEAOCでは抑制されていた。この状態がEAOC発癌段階に有意な相関を示すかどうかを解明するため、単嚢胞中に発癌するEAOCを用いて内膜症部分、境界部分、癌部におけるCXCL4を検討した。その結果、CXCL4は段階的に悪性部分で減少し、その発現細胞がマクロファージであることを突き止めた(Furuya M, et al. Cancer Biol Ther, in press).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CXCR3バリアントの導入株を卵巣癌で作成した。しかしCXCR3-Bを導入すると細胞増殖が止まることから樹立を断念した。CXCR3-Aは樹立できたが細胞増殖がまだ弱いため、純化に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

CXCR3バリアント導入株をもちいて卵巣癌細胞自身に発現するCXCR3バリアントの意義を解明する。CXCL4発現細胞がマクロファージであることが分かったので、EAOC発癌におけるM1/M2 マクロファージの関与を病理学的に解明する。

次年度の研究費の使用計画

細胞培養と細胞機能解析に要する試薬M1/M2 マクロファージ解析に必要な抗体(CD163, CD204など)の購入と二次元蛋白質解析に要する試薬

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Differential Expression Patterns of CXCR3 Variants and Corresponding CXC Chemokines in Clear Cell Ovarian Cancers and Endometriosis.2011

    • 著者名/発表者名
      Furuya M, Yoneyama T, Miyagi E, Tanaka R, Nagahama K, Miyagi Y, Hirahara F, Inayama Y, Nagashima Y, Aoki I.
    • 雑誌名

      Gynecol Oncol

      巻: 122 ページ: 684-655

    • DOI

      10.1016/j.ygyno.2011.05.034

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tumor Vasculature and Molecular Targeting Therapies.2011

    • 著者名/発表者名
      Furuya M, Nagahama K, Ishizu A, Otsuka N, Nagashima Y, Aoki I.
    • 雑誌名

      Front Biosci

      巻: 3 ページ: 549-561

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Disrupted Balance of Angiogenic and Antiangiogenic Signalings in Preeclampsia.2011

    • 著者名/発表者名
      Furuya M, Kurasawa K, Nagahama K, Kawachi K, Nosawa A, Takahashi T, Aoki I.
    • 雑誌名

      J Pregnancy

      巻: 1 ページ: 123717

    • DOI

      10.1155/2011/123717

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Aberrant CD20 expression in angioimmunoblastic T-cell lymphoma2011

    • 著者名/発表者名
      Tachibana T, Tomita N, Furuya M, Yamanaka S, Takeuchi K, Nakamura N, Fujita H, Ishigatsubo Y
    • 雑誌名

      Int Med

      巻: 50 ページ: 495-499

    • 査読あり
  • [学会発表] 急激な経過を辿った骨盤内巨大腫瘍の1剖検例2011

    • 著者名/発表者名
      北山玲子、長濱清隆、高見美緒、村瀬真理子、丸山康世、佐藤美紀子、宮城悦子、平原史樹、山中 正二、稲山嘉明、古屋充子
    • 学会等名
      第34回日本婦人科病理学会
    • 発表場所
      杏林大学(東京)
    • 年月日
      2011.6.11
  • [学会発表] CXCケモカイン軸に特徴づけられる炎症性微小環境の変化2011

    • 著者名/発表者名
      古屋充子、米山朋那,宮城悦子,上大介,長濱清隆、田中玲子,太田一郎,宮城洋平,長嶋洋治,平原史樹,稲山嘉明,青木一郎
    • 学会等名
      第100回日本病理学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011.4.30
  • [学会発表] Birt-Hogg-Dube症候群と確定した4家系における多発性肺嚢胞の病理学的特徴2011

    • 著者名/発表者名
      古屋充子、古賀俊輔、田中玲子,山口学、吉野一郎,谷田部恭,黒田直人、後藤田裕子,長嶋洋治,廣島健三,野村文夫,青木一郎、中谷行雄
    • 学会等名
      第100回日本病理学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011.4.29
  • [学会発表] Analysis of lung cysts in Birt-Hogg-Dube syndrome: pathological features and expression of mTOR signaling molecules.2011

    • 著者名/発表者名
      古賀俊輔,古屋充子,吉野一郎,野村文夫,谷田部恭,長嶋洋治,廣島健三,青木一郎、中谷行雄
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知)
    • 年月日
      2011.10.5
  • [学会発表] Differential expression of CXCR3 variants and corresponding CXC chemokines in ovarian cancers and endometriosis.2011

    • 著者名/発表者名
      古屋充子,宮城悦子,上大介,宮城洋平,平原史樹,長嶋洋治、稲山嘉明,青木一郎
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知)
    • 年月日
      2011.10.4

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公開日: 2013-07-10  

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