研究課題
肺癌, 骨軟部腫瘍で増殖因子受容体の下流因子、Akt/mTORの遺伝子の数的異常、蛋白の過剰発現、活性化の解析を行った。1. 肺癌のAkt異常: Aktの発現は肺癌全体の約60%、活性化とAkt1,2の発現は約40%で認められたが、Akt3発現は23%で有意に低かった。FISH解析により15%にAKT1/2遺伝子増幅、高レベルpolysomyが見られ、この群はAktの活性化を伴い、EGFR遺伝子の異常が無く、AKT-addictionが示唆された(2012年, 日本病理学会、日本癌学会発表, Hum. Pathol. 2012)。臨床病理学的にはAKT1の増加は腫瘍径と相関し、p-AktとAkt2の発現はリンパ節転移と有意に相関した。 2. 骨軟部肉腫ではAkt-mTOR系の活性化頻度が高く、total-Aktの発現は84%、活性化は71%、Akt1, Akt2 isoformは70%であった。特に悪性末梢神経鞘腫では40-60%に活性化があり、予後不良群であった(Clin. Can. Res., 2012)。AKT1/AKT2遺伝子増加は13%, 25%に見られたが全てpolysomyで、増幅例は無かった(2013年 日本病理学会、癌学会発表, Hum. Pathol. 2014)。 3. mTORで変動する因子:microarrayで抽出した肺癌でmTORの発現により変動する因子は、扁平上皮癌でmTORと拮抗し、浸潤先端部で発現が高かった。4. arrayで抽出した肺癌でAKT1、AKT2 の増加により変動するmRNA, microRNA(miRNA)はオーバーラップがあり、転移、間質との相互作用に関与する蛋白、メチル化やK-rasを制御するmiRNAが得られた。特に上皮間葉転換(EMT)に関与するmiRNA200は組織型別、Stage別に、それを制御するAKTが異なり、さらに多数症例での解析を行っている。 5. AKTsの多型と臨床的パラメータとの関連性の解析で、AKT3の複数多型部位と高血圧、肥満、糖尿病、AKT1の1部位で癌易罹患性に関連を認めた。多数症例での解析を浜松医大・椙村教授(連携研究者)と行っている。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件)
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