中枢型肺扁平上皮癌手術切除例24例と非肺癌解剖症例72例について、気管支上皮テロメア長をQ-FISH法にて測定した。非肺癌症例では、非喫煙者に比べ、喫煙者のテロメア長が有意に延長していた。肺癌例はほぼ全例が喫煙者で、テロメア長は非肺癌例の喫煙者と非喫煙者の中間の値であった。 これらの結果から、喫煙によりテロメラーゼが誘導されて、テロメア長が延長しているものと考えられる。またテロメア長の短縮による遺伝子の不安定性が発癌に関与していることがいくつかの臓器で報告されているが、喫煙関連肺癌に関しては発癌メカニズムが異なっていると考えられる。
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