(1)びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫におけるスフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1)の陽性率は12%であり,陽性例の全生存率は陰性例に比べ統計学的に低かった。(2)HTLV-1感染T細胞株ではS1PR1の発現とSTAT3の活性化は相関しており,S1PR1の機能的拮抗薬FTY720は,HTLV-1感染T細胞株におけるSTAT3の活性化を抑制し,細胞増殖の抑制とアポトーシスを誘導した。しかし,HTLV-1感染T細胞株HUT102のSCIDマウスへの異種移植片を用いた実験では,FTY720(10mg/kg)投与によっては腫瘍細胞のS1PR1の発現抑制や腫瘍増殖抑制効果はみられなかった。
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