研究課題/領域番号 |
23590426
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
村上 一郎 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80548701)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ランゲルハンス細胞組織球症(LCH) / LC-MS / MALDI-TOF/TOF-MS / IL17R / IL17 / MCPyV / microdissection |
研究概要 |
ランゲルハンス細胞組織球症(以下LCH)患者病理組織を用いて、メルケル細胞癌ウイルスが高率に検出される事をreal-time PCRにて見出した。また、LCHは大きく二つの亜型に分けられる(multisystem LCH (LCH-MS)及びsingle-system LCH (LCH-SS))が亜型間で、IL17Rの発現強度が異なる事を蛍光抗体法を用いて示した。これらの成果は第101回日本病理学会(2012年4月26日-28日、東京)にて報告した。また、LCH発症仮説として論文作成中である。質量分析計に関する検討は、網羅的解析とその予備的な特定の物質に分けて進めている。まず、2011年度は、現在論争中で結論の得られていないIL17等を中心に解析を進めた。IL17は、2008年にLCHの病態を説明する重要な因子として報告がなされたが、否定するデータも提出され、結論が得られていない。鳥取大学 生命機能研究支援センター 遺伝子探索分野(永田助教)において液体クロマトグラフ質量分析装置 (LC-MS)を用いてMRM法にてLCH患者血清及びLCH病変部パラフィン材料のマイクロダイセクション材料を解析した。血清、病変部組織何れもIL17は検出感度以上には存在しない事が判明したが、余分な物質のフィルターによる除去、岡山大学自然生命科学支援センター ゲノムプロテオーム解析部門でのMALDI-TOF/TOF-MSによる解析等も加えて更に検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ランゲルハンス細胞組織球症(以下LCH)患者病理組織を用いて、メルケル細胞癌ウイルスが高率に検出される事をreal-time PCRにて見出した。また、LCHは大きく二つの亜型に分けられる(multisystem LCH (LCH-MS)及びsingle-system LCH (LCH-SS))が亜型間で、IL17Rの発現強度が異なる事を蛍光抗体法を用いて示した。これらの成果は第101回日本病理学会(2012年4月26日-28日、東京)にて報告し、LCH発症仮説として論文作成中であるから。
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今後の研究の推進方策 |
公開されているLCH病変部のmRNA発現データの解析を進め、LCH病変部の質量分析データと比較し、LCH亜型規定因子の発見を目指す。岡山大学自然生命科学支援センター ゲノムプロテオーム解析部門でのMALDI-TOF/TOF-MSによる解析等を進める。当初、話を進めていた大塚准教授の転勤により、進行が止まっていたが後任の宮地准教授と話が進みつつある。自治医大小児科森本教授より、追加LCH患者血清を頂いたが、これらと共に既にあったLCH患者血清、LCH病変部組織の質量分析計による解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
公開されているLCH病変部のmRNA発現データの解析の為のコンピュータ及びソフトの使用ライセンス(Subio platform)の購入、質量分析計による解析料金等に使用予定である。次年度使用額(583,938円)が生じた状況としては、当初、話を進めていた大塚准教授の転勤により、解析の進行が止まっていた部分があり、後任の宮地准教授と話を進めつつある。
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