研究課題
Hodgkinリンパ腫(HL)の約50%の症例ではEpstein-Barrウイルス(EBウイルス)の感染が報告されており、HL発生に至る重要な原因と考えられている。EBウイルス感染によるB細胞のEBウイルス陽性リンパ芽球様細胞株(LCL)へのトランスフォーメーションの過程で誘導されたlatent membrane protein(LMP)-1とCD30、CD40、nuclear factor κB (NF-κB)、AP-1(JunB)の分子クロストークを、「各分子の活性化とそれによる脱制御の連鎖」として解析する事によりHLの発症に至る分子機構の解明を目指した。平成25年度の研究ではLMP-1がCD30およびCD40プロモーター活性化にそれぞれNF-κB、extra cellular signal regulated kinase (ERK)1/2を介して関与することを示唆する結果を得た。平成23、24年度でB細胞がEBウイルスによりトランスフォーメーションする過程で、HL細胞の増殖の分子基盤であるCD30-ERK1/2-JunB-CD30が誘導されること、CD30-ERK1/2-JunB-CD30の活性化ループはCD30により活性化されたERK1/2を介した転写因子Ets-1誘導によるJunBを介して誘導されることを示唆する結果を得た。これらのことより、B細胞がトランスフォーメーションする過程で、HL細胞の増殖の分子基盤であるCD30-ERK1/2-JunB-CD30に加え CD30-NF-κB-CD40ループの誘導が感染に伴うLMP-1により誘導され、EBVによりトランスフォームされた細胞の増殖の分子基盤を形成していることが示唆された。
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