研究課題
悪性骨軟部腫瘍の転移機構の解析についての研究を行った。通常型骨巨細胞腫、転移形成例、悪性転化例を含む多数例を用いた解析で、骨巨細胞腫の再発にはGPX-1の過剰発現・p53の過剰発現が相関していることを示した。また、骨巨細胞腫における悪性転化・転移の形成に、p53の遺伝子異常を介したGPX-1の転写活性化に伴う過剰発現が関与している可能性を示した。また、胃腸管間質腫瘍における予後因子として報告されているpfetinについて、国立がん研究センターとの共同研究を行った。その発現が予後良好因子として働くことが示されているが、その機能はほとんどわかっていなかった。GIST細胞株において、siRNAを用いてpfetinをknockdownさせると、GIST細胞株の増殖能は有意に増加し、少なくとも細胞増殖能にも関与している腫瘍抑制遺伝子・タンパクであることを見出した。また、遺伝子異常の検索も行ったところ、約10%の症例でpfetinの遺伝子異常が起こっていることを見出した。また、pfetinの発現制御機構についての検討も行っている。Pfetinのプロモーター領域にいくつかのSNPを見出しており、多数のパラフィン包埋検体より抽出したRNAを用いて、pfetin mRNAレベルでの発現量の定量を行い、それらSNPとmRNAレベルでの発現量の相関を調べている。また、pfetinのプロモーターを単離し、プロモーター解析を行うことにより、転写制御機構についても解析を行っている。
3: やや遅れている
該当検体の収集に時間がかかったこと、および一部実験が上手くいかなかった部分があり(現在は問題は解消している)、進行に遅れを生じた。
計画より遅れてはいるものの、実験システムは順調に動き始めているので、このまま予定どうり進める。
主に消耗品に使用することになる。
すべて 2013 2012
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