研究成果の概要 |
ヒト癌性腹水や腹膜透析(PD)排液の中皮やマクロファージの表面分子発現をフローサイトメトリー法で解析した。癌性腹膜炎では、中皮のポドプラニンやCD44の発現増強傾向があり、マクロファージのポドプラニン, CD44, CD14の発現が有意に上昇した。PD排液では、中皮のCD44発現が一部の長期透析症例で増強した。また、マクロファージのCD44発現はPD期間に相関した。ポドプラニンやCD44は細胞膜に共発現し、細胞内骨格の構造変化を誘導して、炎症細胞の遊走や癌細胞の浸潤などに関与している。今回の結果は、種々の体腔病変でマクロファージや中皮の細胞応答に関わる表面分子の発現が増強することが示された。
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