研究概要 |
レトロスペクティブな病理組織学的診断、臨床組織試料でのBmi1, YBX1, MDR1との相関解析と免疫染色による比較検討。Bmi-1, YBX1, MDR1, CD44等の mRNAの発現をHNSCC株とHNSCC臨床検体試料を定量的PCR法により検討を行った。さらに臨床外科検体試料での背景の非がん部とHNSCC部の蛋白レベルでの発現の検討を免疫組織化学染色法にて行った。特に舌がんにおける再発なし群と再発群症例の病理検体試料より細胞内、組織内での局在、また腫瘍の組織亜型、悪性度、浸潤や脈管侵襲の程度、転移の有無、予後との相関等、種々の病理学的因子について検討し病態形成への関与を検討した。さらにBmi-1ならびにYBX1蛋白の局在の検討の結果、細胞質および核内に明瞭な小点状に局在していることをYBX1は細胞質と核内に存在することを確認した。特に発現ベクターを作成し、抗癌剤等によりYBX1の核内移行とBmi1との局在の検証を共焦点レーザー顕微鏡によりその詳細について明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
Bmi1-YBX1複合体解析から腫瘍のトランスフォーム(治療抵抗)機構の解明のためBmi1を含むその他のPcG蛋白、YBX1, c-MYC,などヒストン修飾に関連するタンパク質の結合候補分子について免疫沈降ウェスタンブロッティング(IP-WB)により検証を行いさらなる蛋白-蛋白結合のメカニズムを解析する。2)-2: De-stabilzed Domain(DD)システムを用いたBmi1, YBX1等の発現レベルコントロール可能なレトロウイルスベクターを作成、検討を行う。これらの細胞をin vivoで腫瘍の性状と治療抵抗性機構について機能解析を行う。
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