頭頸部がんにおける癌・幹細胞関連遺伝子群を標的とした治療法の開発

2013 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23590439
• 研究機関: 独立行政法人国立がん研究センター
• 研究代表者: 森 泰昌 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
• キーワード: 頭頸部腫瘍 / がん幹細胞 / 病理診断

研究概要

頭頸部扁平上皮がんの幹細胞に関連分子を中心とした網羅的な解析からYBX1, Bmi1, HMGA2, GLN3が癌の形質に関与することを明らかとした。Bmi1が早期扁平上皮がんの、HMGA2が予後不良の診断マーカーなることを論文として報告した（Lab Invest.2013）。また、膜貫通型糖たんぱく質であり、幹細胞のマーカーとしても知られている。Epithelial cell adhesion molecule（EpCAM）が一部の頭頸部扁平上皮癌のグループで高発現することを論文として報告した（Mori et al. Lab Invest.2013）。また、Bmi1に結合する候補分子Y-Box binding protein-1(YBX1)を見いだした(投稿準備中)。このように幹細胞関連分子の機能が治療抵抗性がんの理由となることを基礎的な研究において明らかとしきている。
頭頸部唾液腺がん診断においてSOX10が腺房と介在導管由来腫瘍の有用なマーカーとなり得ることを明らかとした。さらに介在導管部に存在するSOX10/p63陽性細胞が唾液腺幹細胞である可能性について示唆し、論文として報告した（Modern Patho.2013）。

研究成果

• [雑誌論文] Copy number increase of ACTN4 is a prognostic indicator in salivary gland carcinoma. (2014)
  • 著者名/発表者名: Watabe Y, Mori T, Yoshimoto S, Nomura T, Shibahara T, Yamada T, Honda K.
  • 雑誌名: Cancer Medicine 巻: 27 ページ: 1
  • DOI: 10.1002/cam4.214.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Stem cell self-renewal factors Bmi1 and HMGA2 in head and neck squamous cell carcinoma: clues for diagnosis. (2013)
  • 著者名/発表者名: Yamazaki H, Mori T, Yazawa M, Maeshima AM, Matsumoto F, Yoshimoto S, Ota Y, Kaneko A, Tsuda H, Kanai Y.
  • 雑誌名: Laboratory Investigation 巻: 12 ページ: 1331-1338
  • DOI: 10.1038/labinvest.2013.120.
  • 査読あり
• [雑誌論文] SOX10 is a novel marker of acinus and intercalated duct differentiation in salivary gland tumors: a clue to the histogenesis for tumor diagnosis. (2013)
  • 著者名/発表者名: Ohtomo R, Mori T, Shibata S, Tsuta K, Maeshima AM, Akazawa C, Watabe Y, Honda K, Yamada T, Yoshimoto S, Asai M, Okano H, Kanai Y, Tsuda H.
  • 雑誌名: Modern Pathology 巻: 26(8) ページ: 1041-1050
  • DOI: 10.1038/modpathol.2013.54.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Involvement of hepatocellular carcinoma biomarker, cyclase-associated protein 2 in zebrafish body development and cancer progression. (2013)
  • 著者名/発表者名: Effendi K, Yamazaki K, Mori T, Masugi Y, Makino S, Sakamoto M.
  • 雑誌名: Experimental Cell Research 巻: 319(1) ページ: 35-44
  • DOI: 10.1016/j.yexcr.2012.09.013.
  • 査読あり
• [雑誌論文] 早期口腔癌の病理組織像とその捉え方 (2013)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 雑誌名: 口腔腫瘍学会雑誌 巻: 25-(3) ページ: 42-53
  • 査読あり
• [学会発表] シンポジウム「頭頸部における稀少がんの病理」 (2014)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 学会等名: 第59回日本口腔外科学会総会
  • 発表場所: 千葉 幕張
  • 年月日: 20141017-20141019
  • 招待講演
• [学会発表] レクチャー「早期口腔癌に対する新たな診断法の確立」 (2014)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 学会等名: 第63回日本病理学会関東支部会総会
  • 発表場所: 昭和大学
  • 年月日: 20140621-20140621
  • 招待講演
• [学会発表] 頭頸部扁平上皮癌における治療方針の決定に有効なバイオマーカーの探索 (2014)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 学会等名: 第103回 日本病理学会総会
  • 発表場所: 広島 広島
  • 年月日: 20140424-20140425
• [学会発表] 唾液腺腫瘍の階層的クラスタリング解析によるグループ分類とそれらを規程するマーカー (2013)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 学会等名: 第24回 日本臨床口腔病理学会総会
  • 発表場所: 日本大学歯学部
  • 年月日: 20130828-20130830
• [学会発表] シンポジウム口腔癌の診断と治療戦略：基礎そして臨床から―口腔癌の先端研究に基づいた近未来的治療戦略について (2013)
  • 著者名/発表者名: 森 泰昌
  • 学会等名: 第67回NPO法人日本口腔科学会学術集会
  • 発表場所: 栃木 宇都宮
  • 年月日: 20130524-20130524
  • 招待講演