組織Ｑ－ＦＩＳＨ法による膵β細胞の同定と糖尿病におけるβ細胞のテロメア短縮の証明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590440
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 人体病理学
• 研究機関: 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
• 研究代表者: 相田 順子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京と健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80425678)
• 連携研究者: 泉山 七生貴 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 老年病理学研究チーム・助手 (10158751) ; 仲村 賢一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 老年病理学研究チーム・研究員 (60159069)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 分子病理 / テロメア / Q-FISH / 膵β細胞 / 膵α細胞 / 2型糖尿病 / 加齢 / 老化

研究概要

2型糖尿病ではβ細胞が減少し膵島の機能を低下させる。テロメアは癌や老化に関連する疾患と深く関係することから、糖尿病では選択的にβ細胞のテロメア短縮が加速していると予想した。
糖尿病例と非糖尿病例の剖検膵組織パラフィン切片にFISHを施行し、膵各細胞群のテロメア長を計測し、比較した。また、膵島α・β細胞についてはFISHにグルカゴンおよびインスリンの免疫蛍光法を重ねて鑑別した。
テロメア長は神経細胞で最も長く、上皮では導管が外分泌腺、膵島細胞より長かった。対照群に比し糖尿病例ではテロメアが短縮し、特にβ細胞において著明であった。従って2型糖尿病の発症にテロメアが関与している可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Beta Cell Telomere Attrition in Diabetes : Inverse Correlation Between HbA1c and Telomere Length
  • 著者名/発表者名: Tamura Y., Izumiyama-Shimomura N., Kimbara Y., Nakamura K., Ishikawa N., Aida J., Chiba Y., Mori S., Arai T., Aizawa T., Araki A., Takubo K., Ito H.
  • 雑誌名: J Clin Endocrinol Metab 2014 巻: (in press)
• [学会発表] 膵臓を構成する細胞系列別のテロメア長のQ-FISH法による解析:加齢および糖尿病病態との相関の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川直, 泉山七生貴, 相田順子, 仲村賢一, 藤原睦憲, 新井冨生, 田久保海誉
  • 学会等名: 第103回日本病理学会総会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 20140424-26
• [学会発表] 糖尿病においてβ細胞のテロメアは短縮するか?—α,β細胞別テロメア長の検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 相田順子, 泉山七生貴, 仲村賢一, 石川直, 直井美穂, 藤原睦憲, 櫻井うらら, 新井冨生, 田久保海誉
  • 学会等名: 第102回日本病理学会総会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20130606-08
• [図書] テロメア, テロメラーゼと老化老年医学系統講義テキスト日本老年医学会編 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田久保海誉, 仲村賢一, 泉山−下村七生貴
  • 総ページ数: 39-42
  • 出版者: 西村書店(東京)
• [備考] 研究グループホームページ(研究内容の概要, 論文の解説, 業績)など
  • URL: http://www.ttaggg-rtgp.org/
• [備考] 研究所ホームページ(研究内容の概要, 業績の一部)
  • URL: http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/J
• [備考] Research Gate(研究業績)
  • URL: https://www.researchgate.net/profile/Junko_Aida/