研究課題
本研究では、ペプチド内に存在するアルギニンをシトルリンに変換する機能を持つPeptidylarginine deiminase (PAD)が癌を含めた様々な病態成立にどのように関わるのかを解明し、診断・治療に資する高感度の測定法を開発し臨床例に応用することを目的とする。本年度、シトルリン化タンパク質を特異的に検出する抗体を作製し,固形腫瘍を中心にシトルリン化タンパク質の局在と病態との相関について解析を試みた。ヒト神経膠芽腫(glioblastoma)の病理組織を用いてシトルリン化タンパク質の免疫染色を行った結果、細胞増殖の盛んな神経膠芽腫ではシトルリン化蛋白質がほとんど染色されなかった。一方、神経膠芽腫に隣接する正常な神経細胞ではシトルリン化蛋白質が染色された。これらの結果から神経膠芽腫の成立に蛋白質のシトルリン化は関与しないと考えられる。他の癌での病態成立にシトルリン化蛋白質が関与するかは興味深い。
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Prion
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