研究課題
先進医療の現場で難治性として危急の解決課題となっているチロシンキナーゼ阻害性分子標的薬耐性変異型肺がん細胞を研究対象として、その分子病理学的特徴をgefitinib感受性肺がん細胞と比較解析した。結果、耐性変異型細胞ではgefitinibが特異的に誘導する癌抑制遺伝子p14ARFの発現が起こらないことを見出した。さらに、gefitinib効果の作用点となるミトコンドリア局在型p14ARFのコード領域内のコア配列を決定し、感受性方とともに耐性変異型細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導に機能する抗腫瘍ペプチドのプロトタイプの開発に成功した。このようなp14ペプチドに関する研究は現在のところほとんど報告されておらず、現在のところin vitroレベルではあるが、私たちはGefitinibの作用点である細胞膜上受容体EGFRを出発点とする一連の特異的シグナル経路の連続的な稼働を要することなく十分な耐性肺がんに対する抗腫瘍性を発揮するペプチド製バイオツールを創成することができた。今後さらにp14ペプチドの一層の機能向上に取り組み、副作用が少なく実効的な次世代先端医薬としての可能性に向けたペプチドベースの生体低侵襲性治療学的技術基盤の開発を目指したい。
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