研究課題
Epstein-Barrウイルス(EBV)陽性上咽頭がん細胞株C666-1からの、EBV陰性細胞株樹立を再度試みた。薬剤処理や限界希釈法を組み合わせ株化を試みたが、陰性株樹立はできなかった。FISH法による解析ではバーキットリンパ腫細胞株Akata(0-40コピー/細胞)と比較して、C666-1細胞1つあたり大量のEBV(50-100コピー/細胞)が存在した。またAkataと異なりEBVがない細胞は認められなかった。これらの結果は、C666-1の細胞増殖はEBウイルスに依存することを示唆している。また、EBV感染がヒト上皮細胞に与える影響を解析するために、ヒト乳腺上皮不死化細胞株MCF10AにEBVを感染させたところ、E-cadherinの発現は減少しなかったが、その局在は細胞外から細胞内へと変化し、E-cadherinを基質とするユビキチンリガーゼの発現が上昇していた。これらの結果は、EBV感染上皮細胞ではE-cadherinの局在異常を介して、上皮間葉系移行が成立していることを示している。現在、より詳細な分子機構を解析中である(第10回EBウイルス研究会にて発表)。次に、がん幹細胞集団を分離するために幹細胞特異的転写因子SOX2プロモーターの解析を行い、SOX2プロモーター活性はSOX2遺伝子の発現と相関性があり、プロモーター活性陽性細胞は、高いSphere formation活性を有していた(Liang S et al, Biochem Biophys Res Commun. 2013)。更にSOX2プロモーター結合タンパク質を同定し、同定した因子がSOX2プロモーターの活性を抑制し、Sphere formation活性やSide population活性などの、がん幹細胞に特徴的な活性の制御を行なっていることが明らかとなった(投稿中)。
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