研究課題/領域番号 |
23590444
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石井 陽子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (00361949)
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研究分担者 |
笹原 正清 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (20154015)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 血小板由来増殖因子 / 神経細胞 / synaptogenesis / 細胞死 |
研究概要 |
血小板由来増殖因子受容体 beta (PDGFR-b) conditional knockout mouseおよびコントロールマウスより分離した海馬初代培養細胞を用いて、Time Laps imaging systemにて軸索伸長、dendritic filopodiaおよびdendritic spineの運動性について定量した。Axonの伸長が著しい培養後2-5日目、dendritic filopodiaの運動性が著しい培養後7-10日目につき検討した。シナプスが成熟する培養21日目にPhalloidin染色にてspineの形態と数を比較し、免疫組織化学的にシナプス前部をsynapsin抗体、シナプス後部をPSD-95抗体にて染色し、評価した。PDGFR-b conditional knockout 神経細胞は、コントロールの神経細胞と比較して、dendritic filopodiaの運動性が有意に低下し、培養21日目ではspineの数が有意に低下してする結果を得た。PCR array、RT-PCRを用いてRho familyを含めた84種類の細胞骨格関連因子の増減をPDGFR-b conditional knockout 神経細胞とコントロールの神経細胞において比較検討し、RhoA, VASP, PAL1, ARPC3が有意差をもって減少するという結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の申請計画では、1)Synaptogenesisに対する検討と、2)神経細胞死に対する検討 の2種類の検討を同時並行する内容であったが、1)Synaptogenesisに対する検討の方が進み、平成24年度に予定していた内容も半ば終了した。2)神経細胞死に対する検討には遅延が生じているが、総合すると区分(2)と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、以下の実験を推進する予定である。1)Synaptogenesisに対する検討:PDGFR-α conditional knockout mouse、PDGFR-α/b double conditional knockout mouse、control mouseより採取した神経細胞を用いてPDGFR-b conditional knockout mouseと同様な検討を行い、遺伝子削除が軸索伸長やSynaptogenesisに与える影響を、形態学的に解析し、比較検討する。2)神経細胞死に対する検討:PDGFR-α conditional knockout mouse、PDGFR-b conditional knockout mouse、PDGFR-α/b double conditional knockout mouse、control mouseより採取したdoperminergic neuronを用い、6-hydroxydopamine誘導性神経細胞死(高濃度下)および神経突起変性の影響(低濃度下)をMTT assay、TUNEL法、LDH定量法、PI染色による定量、Time Lapse imaging systemを用いた形態学的解析、免疫組織化学的検討により比較し、PDGFR-α, PDGFR-b signalingのdoperminergic neuron保護に与える影響を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の研究計画調書のとおり、主として細胞培養試薬等の消耗品に使用する。
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